10月26日、携帯電話ユーザーにとって嬉しいニュースが舞い込んできた。ソフトバンクが2022年2月から、携帯電話を契約期間の途中で解約する際に発生する「解約金」を廃止するという。利用者の自由なキャリア乗り換えを妨げるとして、総務省などから批判されていたからだ。このソフトバンクの動きを受けて、KDDIも同日中に解約金の廃止することを発表。ドコモはすでに解約金を廃止しており、携帯大手3社全てで解約金を支払う必要がなくなる。
解約金廃止決定前に結んだ契約はどうなる?
では、「解約金廃止の前に結んでしまった契約の解約金はいくらになるのか。その答えは、「支払う必要なし」だ。ソフトバンクが解約金を廃止すると発表したのは、2019年9月まで提供していた2年契約の旧プラン利用者に課していた解約金だ。これまで、もし2年に1度の更新時以外に解約するとなると、税込み1万450円の支払いが必要だった。支払うしか選択肢がなかった解約金。また、解約したくても解約金を支払うのを避けるために解約時期を見計らわなくてはならなかった状況は、ユーザーにとって負担でしかなかった。そんな負担を軽減しようと、総務省は、2019年の電気通信事業法改正に伴って解約金の上限額を引き下げていた。もちろん携帯キャリアはそれに従うより他ないが、旧プランの契約者には適用されなかったため、引き続き高額な解約金が乗り換えを阻害することになり、これを総務省などが批判していた。
そこでいち早く動いたのは、業界最大手のドコモだった。すでに10月から解約金を撤廃し、それにソフトバンクが追随。さらにKDDIが追随する形となった。
しかし携帯電話の解約金撤廃に伴う消費者の反応は、素直に喜ぶ声はあまり多くなかったようだ。ネット上では、「またひとつ携帯会社の不合理な契約条項が減りました。何年経っても解約金が発生するなんて。何故こんな勝手な理屈がまかり通ってきたのか」「解約金の廃止も結構ですから長期利用者の割引制度もお願いします」など冷たい反応。むしろ、解約金を取らないことで他の何かしらを値上げするのではないかという疑念を持つ人も少なくない。
そしてさらには、「携帯の2年縛りや解約料金などは、改善されているが、モバイルWi-Fiやネット回線は、変わらず野放しのまま。ひどくなって3年縛りが主流になっている」や、「モバイルWi-Fiも、3年縛りなどなくして欲しい。携帯は禁止され、モバイルWi-Fiにはあるのはおかしい」などと、インターネット回線の契約に関しても不満の声や改善を求める声が多数上がった。たしかに携帯電話の解約金と同様、納得感が持てない上に、解約時には「撤去費」なるものを強制徴収される場合もしばしば。一部には、撤去は自分でして郵送するといったのに、撤去費の支払いを免れることができなかった人もいるようだ。
不条理感のある契約案件は世の中にまだまだありそうだ。総務省さん、次はインターネット回線契約がメスの入れどころですよ!
参考元:ソフトバンクとKDDIも「解約金」撤廃、携帯大手3社足並みそろう【読売新聞オンライン】