KDDIが「povo2.0」のユーザー向けに、手続きの遅延などに対するお詫びの品を贈ったことが話題となっている。そのお詫びの品とは、「データ通信量10GB」だ。ユーザーに対し真摯な対応を取りサービスの印象を良くすることは大切だが、ちょっとしたトラブルでも簡単にバラまくイメージを持たれてしまうと、さらなる大ごとが起こった際にユーザーを納得させるためのお詫びの品のハードルを上げてしまうことにも他ならない。スタートして間もないpovo2.0だが、今後は大丈夫なのだろうか…。
KDDI、お詫びの品で10GB分のデータ通信量をユーザーに配布
KDDIは9月29日にスタートしたpovo2.0において、およそ1ヶ月間手続きの遅延や問い合わせ窓口の混雑などが続いたことを謝罪し、対象となるユーザーに10GB分のプロモコードが配布されているようだ。このプロモコードをpovo2.0のアプリに入力すると、15日間有効の10GBの通信量として利用可能だという。また、コードの入力期限は11月30日とのこと。
povo2.0は「データトッピング」で通信量を決めるシステムとなっている。トッピングには「10GB」が存在しないためざっくりとした計算になるが、「20GB/2,700円」のトッピングから、このお詫びの品は1,300~1,500円程度の価値になるのではないだろうか。
次の「お詫び」には何を出すのか。
ユーザーとしては「問い合わせ窓口が混雑していてちょっと不満だったけど、お詫びとして約1,500円分の品をもらえるなら許そうか」と喜ぶはずだ。KDDIもそれを狙ってのことだろう。しかし今後、例えば大規模な通信障害など、もっと多くのユーザーに直接的な被害を及ぼすトラブルが起きた際はどうだろうか。「ちょっと問い合わせ窓口がつながりにくくなったときに1,500円分もお詫びをしたのに、なんでさらに被害の大きな今回は前回のお詫びよりショボいんだ?」とならないように、細心の注意を払う必要が出てくるはずだ。
実際に、業界最大手のドコモが長期間の通信障害を引き起こしてしまったことは記憶に新しい。それが「KDDIには絶対に起こらない」と言えはしないだろう。
今回の一件で「povo2.0でトラブルが起きるとお詫びの品が出てくる」と認識した人も一定数存在するはずだ。得てしてそうした人は、「前回よりショボくなっている!」と文句をつけてくるタイプでもある。
開始直後だからと仏心を出して大盤振る舞いをしたことは、ユーザーとしてはありがたいことこの上ないが、今後のことを考えるのならば、あまりユーザーにへりくだりすぎるのも考え物なのかもしれない。さじ加減の難しい話だが、今後KDDIがモンスタークレーマーに目をつけられないことを祈りたい。
参照元:「povo2.0」でお詫びの10GB、サービス開始時の手続き遅延や窓口混雑で【ケータイWatch】
※サムネイル画像(Image:povo.jp)