楽天、モバイル事業費用かさみ赤字拡大! 経済圏住民からは相次ぐ改悪に不満続出

これからが「楽天経済圏」の正念場となるのだろうか。楽天グループが発表した2021年1~9月期の連結決算で、「純損益が922億円の赤字」であることが明らかになった。楽天グループといえば、楽天モバイルが2020年4月に「第4のキャリア」としてスマホキャリア業界に進出し、参入直後から「先着300万人の基本使用料1年間無料」のキャンペーンを打ちだしてユーザー数を急増させたことは記憶に新しい。

果たして楽天モバイルが黒字体質となり、楽天グループも3年連続となった赤字地獄から抜け出せる日は来るのだろうか…。

楽天グループ、決算発表で赤字拡大が判明

楽天モバイル契約者数の伸び(画像は「楽天2021年度第3四半期決算資料」より引用)

楽天グループは11月11日、2021年1~9月期の連結決算を発表。その内容によれば同期間の赤字はこれで3年連続となり、赤字金額も前年の714億円から922億円へと膨らんでしまったという。楽天グループの主力であるネット通販事業は近年の需要増の恩恵もあり好調に推移しているというが、キャリア事業に参入したばかりの携帯電話事業で通信網整備に費用がかさんでしまったことが大きな要因だとされている。

たしかに楽天モバイルは、人口カバー率96%到達を目指して現在急ピッチで整備を進めていることは広く知られている。キャリア参入当初の予定からは大幅に前進しているものの、コロナ禍による半導体不足にも悩まされ、最大で「2021年夏頃」まで前倒しされた96%到達予定も相次いで延期の見込みが伝えられ、2021年11月12日現在では「2022年3月まで」となっている。
また、「300万以上の契約のプラン料金が1年間無料」「月のデータ使用量1GBまで無料の基本プラン」といった集客のための施策も、減収に拍車をかけていることは確実だ。先行投資とはいえ、本当にこのままで大丈夫なのだろうか…?

発表によれば、楽天モバイルで稼働中の4G基地局数は3万超、完成待ちも約1万局だという(画像は「楽天2021年度第3四半期決算資料」より引用)

「楽天グループが大幅赤字」というニュースに向けて、ネット上では様々な意見が飛び交っている。「インフラに食い込もうってんだから赤字黒字の問題ではない」「携帯事業ですぐに黒字は無理。赤字になるのはわかっていたこと」など、グループを挙げて携帯電話事業に注力する楽天グループに理解を示す意見も存在する。

しかし大半は不満の声や批判というのが現実だ。「ポイント還元率がどんどん下がる」「携帯電話事業の赤字分を楽天市場ユーザーから回収しようとして、顧客が離れたら本末転倒では」と、改悪の続く楽天ポイントへの不満が噴出していた。

また件の楽天モバイルについても、「auローミングがなければとてもメイン回線で使えたものではない」「通信品質が保たれる状態になるまではローミングの解除はやめてほしい」といった、10月から加速するローミングの順次終了に対する怒りの声も少なくない。さらに「まだまだ設備投資が必要なフェーズなのに、auローミングを急いで切るとか焦りが見えます。キャッシュが切れないか心配ですね」と楽天モバイル側の事情を推察する意見も見られた。中には「5Gの工事を担当する会社です。全キャリアの中で楽天はビビるほど安いです。元請に『楽天ならやりません』とハッキリ言っています」という、基地局増設の裏事情を暴露するユーザーまで現れていた。

楽天グループ会長兼社長の三木谷浩史氏は11日の発表の場で、「楽天モバイルの23年単月黒字化は十分可能」と豪語しているが、可能性としては何割程度の話なのだろうか。本当に黒字化を果たすことができるのか。今後の楽天モバイルの業績・評判にも注目していきたい。

参照元:2021年度決算短信・説明会資料【楽天グループ株式会社

※サムネイル画像(Image:Sergei Elagin / Shutterstock.com)

オトナライフ編集部
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