2021年に、オンライン申し込みが可能で割安な「新プラン」が登場し、これまで「高い」とされてきた日本の携帯電話業界が大きな変化を遂げた。しかしそんな新プランによって割を食ったのがMVNOやサブブランドといった「格安スマホ」各社だ。強力なライバルの登場で格安スマホ業界の勢力はどのように変化していったのだろうか。
今回は「NPS®ベンチマーク調査2021MVNO・サブブランド部門」の結果から、現在の格安スマホ業界について考えていきたい。
NPS®調査、MVNO・サブブランド部門の結果が発表される
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは11月18日、10月に実施した「NPS®ベンチマーク調査2021MVNO・サブブランド部門」の結果を発表した。NPS®とは「ネット・プロモーター・スコア(顧客推奨度)」の略称で、「ユーザーがそのサービスをどれだけ知人に勧めたいと感じたか」を測定する指標だ。
今回の調査では「IIJmio」「mineo」「OCN モバイル ONE」「UQモバイル」「ワイモバイル」の5社を対象に調査が行われている。その結果、NPS®のランキングで真ん中の3位となったのが、-17.8ポイントの「IIJmio」だ。5社全体の平均値は-23.4ポイントだったため、平均よりも良好な結果と言えるだろう。そして2位はauのサブブランドとしても知られる「UQモバイル」。-17.1ポイントと、3位・IIJmioを僅差で抑えての好順位となった。
ちなみに4・5位の下位2社はポイントのみで社名は公表されていない。そちらについても後ほどお伝えしていきたい。
そして栄えあるNPS®1位に選ばれたのは「mineo」だ。ポイントも-13.1ポイントと2位以下を大きく引き離しての戴冠となった。mineoは「料金プランの分かりやすさ」のほか、「利用開始や各種変更手続きのスムーズさ」「問い合わせ時の応対の良さ・カスタマーサポートの手厚さ」など、ユーザーサポートも高く評価されたという。
さて、上位3社が判明したことで社名の出ていない4位・5位は、ソフトバンクのサブブランド「ワイモバイル」と、先日ドコモが全国のドコモショップで申し込みを可能にした「OCNモバイルONE」の2社であることが判明した。4位は-31.8ポイント、5位も-37.1ポイントと平均を大きく下回る結果となってしまっただけに、キャリアのサブブランド(的な立ち位置のサービス)としてはかなり物足りない結果と言えそうだ。どちらが最下位かはわからないが、社名を伏せられたことは幸運だったのかもしれない。
また、「ahamo」「povo」「LINEMO」といった新プランへの切替意向の調査では、「変更したい・変更を検討している」というユーザーは11.2%に留まった。逆に「変更したいと思わない・検討していない」の回答が60.3%にのぼり、現在格安スマホを利用しているユーザーは格安スマホに満足している様子が伺えた。
ahamoが好評を博したり、povoが2.0に進化したことでユーザー数を伸ばしたりと、中・低容量のプランが大きな変化を遂げた年となったが、MVNO・サブブランドもまだまだキャリアに負けない根強いファンがいることが改めて明らかとなった。今後もMVNO・サブブランドの躍進に期待したい。
出典元:NPS®業界別ランキング&アワード【NTTコム オンライン】