アップルが積極的に行うiPhoneの「下取りプログラム」の実態が話題に!

読者の方々は、スマートフォンの「下取りプログラム」を利用したことはあるだろうか。機種変更時にそれまで使っていたスマホを返却し新品を受け取ることで、返却したスマホ分の代金が新しいスマホの代金から差し引かれるあのシステムだ。近年はスマホメーカーのほか、携帯キャリアなどでも導入しているところも見られる。

今回は、そんな下取りプログラムをアップルが推奨している理由について考えていきたい。

アップルの「iPhone下取りプログラム」にはどんな思惑が?

(Image:Masarik / Shutterstock.com)

大きな破損のあるモデルはリサイクルに回されるという

チャンネル登録者数111万人を誇るYouTubeチャンネル「Apple Explained」が2021年9月に投稿した動画「Why Apple Wants Your Old iPhone」によれば、アップルが下取りプログラムを開始したのは2013年。それ以降、「iPhoneの販売が鈍化した」「機種変サイクルの長期化」といった問題の解決につながる妙手として定着しているようだ。

下取りでアップルに回収されたiPhoneは、状態が良好なものは修理されたのちインドや中南米、アフリカといったマーケットで再販されるのだという。先進国ではあまり人気の出ない型落ちのモデルも、型落ち+中古品として安価に販売すれば新興国ならば一定数の需要が見込めるということだろう。

また、修理して再利用するのも難しい状態のiPhoneは、機械で分解されレアアースなどのリサイクルに回るのだという。最近では2021年に開催された東京五輪のメダルを、小型電子機器に使われていた金属をリサイクルして作ろう、という取組みも話題となったが、希少な金属が使われているスマホは素材としても優秀なようだ。

(Image:ms_pics_and_more / Shutterstock.com)

iPhoneは毎年新機種を発売している

また、既存iPhoneの下取りはリユース・リサイクルといったメリットの他にも、逆に「中古市場へ流れるiPhoneの数を抑制する」ことにもつながっているのではないだろうか。近年は日本国内の中古スマホ市場も活発で、人気のiPhoneが売れ筋ランキングの上位を占めることも少なくない。しかしメーカーからしてみれば、中古スマホが売れても直接的な利益にはつながらないことも多いはずだ。

それであれば、下取りで旧型のiPhoneを回収して世間に出回るiPhoneの数をコントロールすることで、中古市場に流れるiPhoneの数を抑制することもできる……かもしれない。

実際にアップルのiPhone販売ページを見ると、「『iPhone 8』 以降を下取りに出すと、11,000円~84,000円割引」といった記述も存在する。現在の最新型「iPhone 13」の本体価格が98,800円(128GB)であることを考えると、最高でおよそ1.5万円で最新のiPhoneを購入することも可能となるのだ。普段から「高い」と言われ続けているiPhoneも、こうして見ると比較的お手頃に見えてくるから不思議なものだ。

アップル自身にも様々な思惑があって実施されている下取りプログラムだが、いちユーザーとしては利用してみてもさほどデメリットはないはずだ。これからiPhoneの機種変を考えている人は、下取りプログラムの適用を検討してみるのもいいかもしれない。

参照元:Why Apple Wants Your Old iPhone【Apple Explained

※サムネイル画像(Image:Masarik / Shutterstock.com)

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