スマホに突然「ウイルスに感染しました!」とポップアップしたときの対策

スマホでウェブを見ていると、突然「ウイルスに感染しました!」といった警告メッセージがポップアップすることがある。しかし、これは偽のメッセージ。最近、Androidスマホを中心に被害が増えているもので注意が必要だ。

偽のメッセージでおびき寄せる「Fake AV」

(Image:Shutterstock.com)

 スマホでウェブを見ているとき、自分が特に何をしたわけでもないのに「ウイルスに感染しました!」といった警告メッセージが突然表示されることがある。このメッセージに驚いて進めていくと、特定のページに誘導される。これは「Fake AV」と呼ばれるもので、すべてが偽物なのだ。
「Fake AV」とは、ユーザーを脅して恐怖心を煽り、騙す手口のこと。ウイルス感染の偽メッセージの場合、あたかもウイルスに感染したように見せかけ、偽物のウイルス対策アプリのダウンロードページに誘導。画面の指示にしたがってアプリを入れてしまうと、そこから個人情報が盗まれたり、スマホが乗っ取られたりといった被害が発生する。
 メッセージは恐怖を煽るものだけでなく、「懸賞に当選しました!」といったものもある。このタイプは、進んだ先にあるページで個人情報を入力させて盗む「フィッシング詐欺」を狙ったものだ。偽メッセージが表示される原因は、ウェブサイトに貼られているネット広告だ。ユーザーがウェブサイトを訪問すると、広告枠に置かれたプログラムが起動し、ブラウザーに警告メッセージを表示させる仕組みだ。つまり、メッセージが表示されても実際にはウイルスに感染していないので、誘導されなければ被害は発生しない。
 このようなメッセージが表示されたときは、無視してブラウザーのタブを閉じるのが肝心だ。「Fake AV」は、YouTubeの動画を変換するサイトなどで表示されることが多い。あまり信頼できないサイトには近づかないのも重要な対策だ。

「Fake AV」は、YouTubeの動画を変換してダウンロードできるようなサイトでよく発生する。この手のサイトは、「Fake AV」だけでなく、悪質な広告を表示するものが多いので、あまり利用しないほうがいいだろう

「Fake AV」は、あたかもウイルスに感染したかのようなメッセージをポップアップ表示する。このメッセージにしたがって進めていくと、アプリのダウンロードページに誘導される。ここでアプリをインストールしてしまうと、スマホがウイルスに感染。個人情報漏えいやスマホ乗っ取りといった被害が発生する

ポップアップするメッセージの中には、シャッター音がしたり、バイブが振動してより恐怖を煽るものもある。このような動作があっても、ウイルスに感染しているわけではないので、落ち着いて行動しよう。なお、シャッター音は単なる音声ファイルをブラウザーで再生しているだけ、バイブの振動もブラウザーがサイトに書いている指示をそのとおりに再現しただけだ

偽メッセージが表示されたら、タブボタンをタップして該当のページのタブを閉じよう。誘導されなければ、被害が発生することはほとんどない

突然メッセージが表示されたら、これはほとんど偽物と疑って問題ない。落ち着いてタブを閉じてしまえば被害は防げる。とはいっても、悪質なサイトはどんどん進化している。怪しいサイトには近づかないのが賢明だ。

文=岩渕茂/ライター

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