メール・SMS・LINE。近年のスマートフォンを使ったコミュニケーションは、その種類が多岐にわたっていることはご存じのとおりだ。読者のみなさんもこれらのツールの多くを日々使いこなしていることだろう。では、それらのコミュニケーションツールの利用率はいったいどの程度なのだろうか。
今回は、とあるスマホの利用実態調査から、現在最も支持されているツールや、逆に斜陽に差し掛かってきているツールの存在が明らかとなってきた件についてお伝えしていきたい。
キャリアメールを1日に1通も送らないユーザーは68.2%!
市場調査会社のMMD研究所は12月21日、12月に実施した「2021年版:スマートフォン利用者実態調査」の結果を集計・発表した。その内容によれば、スマホの利用時間は「2時間以上3時間未満」が19.7%と最も多く、次いで「1時間以上2時間未満」16.3%、「3時間以上4時間未満」16.1%となっていることがわかった。50%以上の人がスマホを1日1~4時間見ているというのは、世の中にどれだけスマホが浸透してきたかがわかる結果と言えそうだ。
そして、「1日にメール・メッセージをどれくらい送信するか」の設問では、全体平均で「キャリアメール」2.9回、「SMS」3.6回、「LINE」9.2回という結果に。たびたび問題が発覚することもあるが、国民的ツールとして自治体等でも利用されているLINEが圧倒的な回数を見せつけた。LINEは「送信回数0回」の回答がわずか18.7%、逆に「1~10回」は他を圧倒する57.8%を記録している。
一方でキャリアメールは、3ツールの中で最も少ない回数に。内訳を見ても「0回」は3ツールの中で最も高い68.2%に。逆に1回以上と回答している割合はほとんどのレンジで最も低くなっており、かつて隆盛を誇ったコミュニケーションツールの衰退ぶりを表す結果となってしまった。
70%近いユーザーがキャリアメールを使っていないという実態は少し驚きではあるのだが、考えてみれば筆者も保有しているキャリアメールを年単位で確認していない。キャリアメールよりも2要素認証の際に利用するSMSのほうが、出番が多いくらいだ。
つい先日にはキャリアメールを残したまま、他の携帯サービスに移動できるサービスもスタートしているが、これだけ使われていないツールを月300円支払ってまで残したいユーザーはどれだけいるのだろうか…?
Gmailなどのフリーメールサービスが広く一般に浸透してきたことで、かつての「キャリアメールでないと信用できない」といった風潮はもはや見る影もない。その変化がこうして数字として明確に示されたいま、キャリアメールを残しておくサービスはどこまで利用者を確保することができるだろうか。今後のサービスの動向にも注目していきたい。
出典元:スマートフォンの利用時間「2時間以上3時間未満」が19.7% デジタルギフトの認知度は66.7%、利用経験は24.5%【MMD研究所】
※サムネイル画像(Image:Koshiro K / Shutterstock.com)