熱や風邪のときでも入浴はOK? 住宅事情の変化から変わってきた風邪時の対処法とは

風邪をひいたときあなたはどう過ごすだろうか。対処法として「卵酒を飲む」「ネギを首に巻く」「お茶でうがいをする」など“おばあちゃんの知恵袋”的なさまざまな民間療法があり、子どもの頃から実践していることがあるという人も多いのではないだろうか。実際に効果があるものもあれば、なかにはほとんど効果が見込めないものも少なくない。ではお風呂に関してはどうだろうか。子どもの頃「風邪や熱があるときは、お風呂に入ってはダメ」と言われていた、という人も多いだろう。

そこで今回は、ここでは風邪時の正しい入浴方法や注意点を紹介する。

入浴NGと言われていた原因は、日本の住宅事情にあった?

昭和の前半期頃までは、風呂は銭湯が当たり前の時代だった

そもそもなぜ熱があるときや風邪を引いたときにお風呂に入ってはいけない、と言われるようになったのだろうか。風呂に関するさまざまな情報を発信するバスリエ株式会社は、風邪と入浴に関する情報を調査、自社が運営する「お風呂レシピ」というサイト上で公開した。それによると、風邪のときの入浴NGとなった原因は、かつての日本におけるある住宅事情にあったのだという。

日本で一般家庭に風呂が普及したのは、昭和30年台からの高度成長期を迎えた頃からのこと。それまでは近所の銭湯で風呂に入る、というのが当たり前だった。そのため、風邪や熱があるとき、銭湯で温まった体が帰り道に一気に冷え、風邪が悪化してしまう、ということから風呂に入ってはいけないと言われるようになったのだそうだ。現在では当たり前のように家で入浴ができるようになったため、風邪のときの入浴NGというのはもはや過去のことになっているのだ。ただ、幼い子どもや高齢者、38度以上の高熱があるとき、嘔吐や下痢などの症状があるときなどの入浴は避けたほうが良いだろう。

また入浴後、湯冷めをしないようにすることや、前後に水分補給をしっかりすることも大切だ。お風呂レシピによれば、入浴後10分程は汗をかき続ける二次発汗があるため、パジャマを着る前に、汗を吸いつつ蒸発する水分を体内に留めることができるバスローブを着用するとより効果的なのだそう。

風邪を引いたらまずは暖かくして睡眠や水分を十分に取ろう

風邪などによる発熱は、体が体温を上げることで免疫を活性化させ、ウイルスと闘うために起こるもの。そのため風邪の引きはじめなどは特に、体を温めることは早い段階でウイルスを撃退することになり、効果的だと紹介されている。

日本で昔から言われてきた生姜湯や卵酒を飲む、という対処法も内側から体を温める知恵のひとつだ。世界に目を向けてみると、やはり同じようなものが数多くあることが分かる。ヨーロッパでは「ホットワイン」、ロシアでは「コショウ(または唐辛子)入りウォッカ」、インドの「生姜入り紅茶」などなど、どれも体が温まりそうなものばかり。とはいえ、風邪を引いているときの飲酒は避けた方が良いので、卵酒ならアルコールをしっかり煮切るなどの工夫が必要だろう。また、むやみに温め過ぎても熱が必要以上に上がり、かえって症状が悪化してしまう恐れもある。入浴に関しても熱すぎない温度で、体力を消耗しないよう長湯は避けよう。
適切な入浴の方法や、温かな食事などで十分に体を温めて、風邪を引きやすい季節を乗り切りたいものだ。

出典元:熱や風邪のときのお風呂はOK?入り方や注意点を解説【お風呂レシピ

※サムネイル画像は(Image:「バスリエ」リリースより引用)

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