高級腕時計は、何のために購入するものなのか。インターネットやSNSでは、購入する必要がない理由として、「時間を見るだけならスマートフォンで十分」「安い時計でも時間はわかる」「だいたい重くて腕が疲れる」「パソコンで作業するときに邪魔」「他の持ち物とのギャップが嫌」といった意見が見受けられる。
一方で、高級腕時計の購入理由としては「ビジネススキルが高いように見られる」「オシャレに見られる」「憧れの時計を着けている満足感を味わえる」というような、他者へのブランディング効果と、自身の自己達成感を満たすことによる自信創出といった価値を見いだしている。
しかし、それだけの理由なら正規販売店で新品を購入するのではなく、中古品でもかまわないだろう。そこに「資産価値上昇」という観点がプラスされたことで、正規販売店で新品を購入する人が6割だという。その理由を探ってみると、購入後のある行為を意識している、という結果がわかった。
中古相場が下がりにくいからこそ新品が売れている
買取専門店を運営する株式会社クオーレが、中古市場でも特に人気の高い「ロレックス」について、購入者100名に2022年1月8日~19日の期間でアンケート調査した結果を発表した。
ロレックスは年々、入手が困難になっており、現在では入荷情報を確かめるために正規販売店をまわる「ロレックスマラソン」なる言葉も生まれているのだという。中古売却すると価値が下がってしまう時計がほとんどのなか、ロレックスの価値は下がりにくく、しかもレアなモデルであれば数倍の値段がつくこともあるほどで、投資価値の高い時計として人気になっている。
つまり「資産価値の上昇狙い」という意味で、正規販売店=新品の購入へと結びついているのだが、そこにもう一つの理由がある。それが「売却時の信頼性」だ。
売却時に“本物”と証明する手段の一つが「正規販売店」での購入
資産価値が上がるということで、売却をする人も多い。実際に同調査では4割の人が正規販売店以外で購入しており、「中古用品店」が22%、その他に「ネット・通販サイト」12%、「フリマアプリ」3%、「オークション」3%という結果が出ている。
購入者がそれだけいるということは、中古で売却する人も同じだけいるということ。同調査では54%の人が、売却経験があると答えている。その売買の際に問題になるのが、その時計が本物かということ。とくにネット関連では顕著で、「本物かどうかを証明するのが難しかった」という回答があった。そこで、正規販売店で購入したことを証明にできると考えた人が増え、約6割が正規販売店で購入するという結果につながったと考えられる。
実は筆者もサブマリーナの新作が発売された時、どうしても欲しくて正規販売店に問い合わせたがすでに完売。数日後に買取店のWebサイトを覗いたらすでに値上がりをしていた。現在は定価より100万円以上プラスの値が付いている。そう考えると本物なのは当然だが、購入できるならやはり定価の正規販売店で買いたいと思ってしまう。
出典元:ウリエルは→こちら
※サムネイル画像(Image:Jitjaroen Channarong / Shutterstock.com)