お酒に強い、弱いは両親から受け継いだ遺伝子によって決まっているもの。アルコールを分解する酵素「ALDH2」があまり働かない、または全く働かない遺伝子の人はお酒に弱いかまったく飲めない体質、ということになる。世界的に見ると、ALDH2欠損の遺伝子は日本や中国を中心とした東アジア人特有のもので、ヨーロッパ系やアフリカ系の人たちにはないのだという。では、日本国内で見てみるとどうだろうか。やはり地域によって、遺伝子に偏りがあるようだ。
そこで、ここではお酒に強い遺伝子が多い都道府県別のランキングを紹介する。遺伝子的に最も酒豪が多い都道府県はどこだろうか?
上位に並ぶ都道府県は酒どころの多いあの地方ばかり!
株式会社ユーグレナは、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスの利用者2万1,371人のゲノムデータをもとに、お酒に強い遺伝子の推定割合を都道府県ごとに算出し「お酒に強い遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」を作成、公開した。ここではそのランキングの一部を抜粋し紹介する。
第10位は「栃木県」で61.63%の人がお酒に強い遺伝子を持っていることが分かった。続く第9位は「茨城県」で61.65%、第8位は「新潟県」で62.83%、第7位は「富山県」で63.59%、第6位は「宮城県」で65.31%だった。北関東と北陸の地域が多くランクインしていることが判明した。
そしてトップ5となる第5位は「山形県」で65.88%、第4位は「秋田県」で65.92%、第3位は「岩手県」で67.59%となり、東北地方の都道府県が続々と登場、上位に名を連ねている。
ここまで、東日本ばかりが上位を占めているが、関西以西で唯一トップ10にランクインしたのは、第2位の「沖縄県」で67.92%。沖縄といえばアルコール度数の高い泡盛が有名で、お酒好きな人が多いイメージがあるが、やはり遺伝子的に見ても全国で2番目に酒豪が多い県だということだ。
東北出身者は酒豪が多い? お酒に弱い人が多いのは…?
そして日本全国でお酒に強い遺伝子が多い都道府県、注目の第1位となったのは、「青森県」で68.92%だった。美味しい地酒も多い青森県だが、酒豪遺伝子も脈々と受け継がれてきているようだ。また、今回の調査では福島県は13位と上位につけるものの惜しくもトップ10入りはしなかったが、福島以外の東北地方5県が上位6位に入る結果となった。
逆に、お酒に強い遺伝子タイプが少ない県は、第43位「福井県」、第44位「宮崎県」、第45位「和歌山県」、第46位「岐阜県」、第47位「奈良県」だった。西日本のなかでも近畿地方中心にお酒に弱い遺伝子タイプが多いことが分かる。
一説によると、日本人でも縄文人系はお酒に強く、大陸から移住してきた弥生人系はお酒に弱いのだともいう。近畿地方には弥生人系にルーツを持つ人が多いのかもしれない。
以上、「お酒に強い遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」を紹介したが、いかがだったろうか。あなたの出身県は何位に入っていただろう。もちろん、青森県出身でもお酒に弱い人だっている。日本人は約44%がALDH2を持たないか、働きが弱い、つまりお酒が弱いと言われている。それはもって生まれた体質なので、変わることはない。
お酒が強い人と飲んでいると、ついついその人のペースに釣られて飲み過ぎてしまう、なんて経験がある人もいるだろう。自分の適量を知ることは大切だ。自分にあったペースと量を忘れずに、楽しくお酒と付き合っていこう。
出典元:ユーグレナは→こちら
※サムネイル画像は(「写真AC」より引用)