スポーツ大会やコンクールにおいて、メダル獲得とは、全参加者が目指すものであり、家族、コーチや支援者など、周囲の期待に対する最高の恩返しだろう。しかも金メダルともなれば一同大騒ぎだ。「金メダルを獲得した」という事実の価値はお金には換えられないものだが、今回はまた違った意味での金メダルの価値を考えたい。それは、「金メダルの貴金属としての価値」。記念コインのような話でもなく、単純な貴金属として、いったい金メダルには、どれくらいの価値があるのだろう?
純金の金メダル300個だと、なんと素材価格だけで10億円近くに!
貴金属・ブランド品・ 宝石の買取りを行うドリームファクトリーには、金メダルの価値はどのくらいのものなのかという問い合わせが入るそう。そこで同社は、実際に金属としての価値を検討したプレスリリースを発表した。
まず、金メダルの重量は約400~500g。全てが純金だと、金としての素材の価格だけで日本円にして280万円~350万円になるそうだ。純金への投資は人気で、これから価値が上がっていく可能性もある、という条件は置いておいて、例えば競技が300種類程度ある大会であれば、トータルの金メダルの素材価格だけで10億円近い価格になるという。そこにプラスして、意匠費や加工費などさらに数億円かかる可能性もある。
大規模な国際大会は、金メダルという一部分だけでも、やはりお金がかかることがわかる。たしかに、大会運営費が膨大で、商業的にならざるを得ないとも聞く。これからの大規模国際大会は、開催できる国が限られてくるのではないだろうか…。という心配はもちろんあるが、実は金メダルに限っていえば、名称は金メダルではあるが、“純金ではない”のだ!
日本オリンピック委員会のホームページによると、オリンピック憲章には以下のような規約がある。
●メダルは、少なくとも直径60ミリ、厚さ3ミリ以上でなければならない。
●1位及び2位のメダルは銀製で、純度1,000 分の 925以上でなければならない。
●1位のメダルは少なくとも6グラムの純金で金張り(またはメッキ)が施されていなければならない
つまり、「金メダルは純度92.5%以上の銀に6g以上の金でメッキをしたもの」という規定だ。あれ、金メダルの中身は金じゃないのか!
この“中身が銀の金メダル”の価値についてドリームファクトリーでは、「素材価格のみで約4~5万円」と算出している。つまりこれを300個用意すると、素材価格で1,500万円ほど。「純金ならば10億円か!?」という話から比べると、とてもつつましやかな金額になった。開催国に負担をかけないように、という配慮から、こうなったという話もある。
果たして北京五輪で日本選手たちはいくつのメダルを獲得し、そのうちいくつが金メダルになるだろうか。私たちもテレビの前で応援してみよう。
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