コロナ禍において、不動産業界が活況という話題にふれることは多く、購入金額も歴史的な高値になっているとも言われている。在宅ワークの増加による住環境や、オンライン教育が広がる中で対応・非対応など教育環境に対する優先順位の向上などが理由とされている一方で、東京都内のマンションでは投資という面でも人気のようだ。
これまでのマンション購入の流れであれば、「チラシや不動産サイトなどを閲覧後にショールームや物件を見学する」という手順が一般的だった。しかし現在のマンション購入のメイン層ともいえるミレニアル世代(1980年から1995年の間に生まれた世代と定義され、2022年に27歳から42歳)の間では、そのセオリーが異なってきているようだ。いったいどのような情報を参考にしているのだろうか?
「Twitter」以外も「YouTube」56.4%、「TikTok」50.5%、「Instagram」45.5%
株式会社スタイルポートが、コロナ禍で居住用の新築マンションを購入した東京在住の20~30代の人101名を対象に「マンション購入者の行動変容」に関する調査を実施。その結果、マンション購入の際に参考にした媒体として、70.3%が「Twitter」と回答した。さらに2位以下は「YouTube」が56.4%、「TikTok」が50.5%、「Instagram」が45.5%と、上位4媒体までをSNSが占める結果に。
しかも、「SNS(Twitter、TikTok、YouTube、Instagram)」または「ブログ」と回答した人を対象とした、「SNSやブログで収集した情報は、マンション購入時の意思決定にどの程度影響しましたか。」の質問では、「かなり影響した」が54.7%、「やや影響した」が42.1%という回答となったという。95%以上が影響を受けているとは…。恐ろしい影響力である。
ミレニアル世代は、いったいSNSで何を見ているのだろうか。マンション購入の際に参考にした媒体としてSNS(Twitter、TikTok、YouTube、Instagram)」「ブログ」と回答した人に、「マンション購入に関して、特定のマンションを具体的に検討したとき、SNSやブログで情報収集を行った理由を教えてください。」と質問したところ、「動画や画像とともに情報収集できるから」が63.2%、「リアルな口コミを見ることができるから」が54.7%という回答となった。
ポイントは“動画や画像”と“リアルな口コミ”ということか。「手軽だから」や「デメリットが把握できるから」といった理由もあるようだが、販売事業者からの発信だけでなく、購入者側の生の意見も重視していることが明らかとなった。
一方で、「マンション購入検討時にマンションギャラリーに行った」という人は92.1%。自分で現地を見るのは欠かせない要素のようにも思うのだが、マンションギャラリーに行った際に不満に思ったこととして、「マンションギャラリーに足を運ぶのが面倒」が57.0%、「訪問日時の調整や予約作業が面倒」が51.6%という結果に。
「具体的な購入検討物件に関して、情報収集・検討を行う際に、全ての部屋タイプをVRで内覧することができたら、購入時の意思決定がもっとスムーズにいったと思いますか」という質問に対して、「非常にそう思う」45.5%、「ややそう思う」49.5%という回答からもわかるように、VRが進めば、さらに購入時の行動は変化しそうだ。
高いお金を払うのだから実際にギャラリーをじっくり見たいだろう、という販売事業者側が持つイメージは、もはや幻想なのかもしれない。
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※サムネイル画像(Image:In Green / Shutterstock.com)