近年、SNSなどを見ていると唐突に「動画広告」が現れるのはもはや一般的になってきた。YouTubeでは動画の途中で動画広告が表示されることもあり、表示させないためにYouTube Premiumに入会している、という人もいることだろう。しかしとある調査から、そんな嫌われ者のイメージの強かった動画広告がZ世代の間ではさほど嫌われていない事実が明らかとなった。
今回は、「Z世代の動画広告」の調査から見えてくるものについてお伝えしていきたい。
Z世代では、動画広告に悪印象を持っているのは半数以下と判明
ライブ配信や動画制作を中心にデジタルマーケティングを手がける株式会社Candeeは3月1日、Twitter・YouTubeを毎日利用しているZ世代を対象として2月に実施した「『Z世代の動画広告』に関する意識調査」の結果を発表した。
その内容によれば、「Twitterの『動画広告』に対する印象」の質問では「ポジティブ・ややポジティブな印象」が合計23.0%、「とくに印象はない」が38.5%と、60%以上がネガティブな印象を持っておらず、4人に1人はポジティブな印象を持っているという。この傾向はYouTubeも同様で、「YouTube『動画広告』に対する印象」でも「ポジティブ・ややポジティブな印象」計26.9%、「特に印象はない」28.8%と55%以上がネガティブな印象がなかったのだ。
いま30代40代の、子どもの頃にガッツリとテレビを見て育った世代がテレビCMをそこまで敵視することがないように、子どもの頃からSNSの動画広告に慣れ親しんだZ世代にとっては動画広告も“当たり前の光景”でネガティブなイメージを持たないのかもしれない。
さらに同調査では、「ポジティブ・ややポジティブな印象」と答えた回答者に対して追加質問を実施。「動画広告を視聴し、その後行ったことがあるアクション」の中ではTwitter・YouTubeともに「購入やアプリのインストール」が最多となった。その割合も、Twitterではなんと54.2%と半数以上がサービスの利用を経験。YouTubeでも40%近いユーザーの利用につながっているというのだ。
単にネガティブに捉えないだけでなく行動にまで移しているとは…。Z世代の行動力、おそるべし……。
しかしこの驚愕の行動力、実は好意的な印象を持っていることだけが理由ではなさそうだ。「ポジティブ・ややポジティブな印象」と答えた回答者に対する追加質問で「つい見てしまう広告のコンテンツ」を質問すると、「自分用にカスタマイズされた広告」の回答がTwitterで1位(54.2%)、YouTubeでも2位(46.4%)となっているのだ。
これはいわゆる「パーソナライズド広告」や「ターゲティング広告」と呼ばれるもので、自身の使用履歴などから興味のありそうなジャンルを絞って表示させる機能を持った広告だ。最近はプライバシーの観点からこうした個人情報の取得をシャットアウトする機能も注目を集めている。自衛のためにもその意識が大切であることは間違いない。しかし結局動画広告が表示されるのであれば、完全にランダムなジャンルが表示されるよりも、より自分が興味を持てるジャンルが表示されたほうが“有意義な無駄な時間”を過ごせるのではないだろうか。
出典元:Candeeは→こちら
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