人材サービスのアデコが、日本全国の小中学生1,800人を対象に、「将来就きたい仕事」に関する調査を実施した。本調査は2014年に開始し、今回で8回目の実施となる。この結果は、世相から大きく影響を受けると言われているが、小中学生男子が1位に選んだ職業は2年連続「YouTuber」。小中学生女子が1位に選んだのは、3年連続「パティシエ(お菓子職人)」だった。
女子中学生のなりたい職業1位に初の「医者」!コロナ禍での活躍を見て魅力を感じたか
まずは小学生女子のなりたい職業トップ3から。3位は幼稚園~大学などの「先生」で6.3%、2位は「看護師」で7.2%の支持を集めた。栄えある1位には「パティシエ(お菓子職人)」が、なんと20.5%という断トツの数字を残す結果となった。昔は「ケーキ屋さん」だったという呼称の違いはあれど、時代によっての変化はないようにみえる。
そして中学生にあがると3つの職業が2位タイ(6.3%)になるのだが、それが「パティシエ」「看護師」「先生」と小学生のトップ3というのもめぐり合わせのような雰囲気も感じられる。それらを抑えての1位が「医者」(9.0%)、そして5位が「会社員」(4.7%)だった。ただ、医者が過去に女子中学生が選ぶ職業の1位になったことはなく、コロナ禍で活躍する姿を見て憧れを抱いたのかもしれない。
中学生男子のなりたい職業が2年連続で「会社員」との結果に!これは何を意味するのだろうか
続いて小学生男子のなりたい職業だ。3位は「野球選手」(6.5%)、2位「YouTuber」(8.5%)、そして見事1位に輝いたのは9.3%の票を集めた「サッカー選手」となった。女子も男子も、小学生の頃は夢のあるラインナップとなっていて微笑ましい。
一方で中学生になると男子もかなり現実的な職業が人気になってくるのだが、その“現実を知った”度合いは女子を上回っている。3位には安定の代名詞「公務員」(4.7%)、そして2位には需要が高まり続ける「エンジニア・プログラマー」(8.3%)がランクイン。そして第1位に選ばれたのは「会社員」(8.7%)という結果となった。おまけに「会社員」は2年連続トップというのが気になるところ。
大きな夢を持つという思考にならず、消去法的に会社員を選択してしまっているのか…。子どもたちの未来はもちろん、日本の将来も心配になってしまう。だが、子どもたちは「働きやすさ」を求めて会社員を選んでいるのではとの見方もある。コロナ禍で「テレワーク」や「時差出勤」、「週休3日制」、「転居を伴う異動の撤廃」など働き方が多様化してきた。両親が在宅勤務をしている姿を見て、自分もこんな風に柔軟な働き方ができたらと思ったのかもしれない。
日本は欧米と違って、文系と理系という2つのくくりで進学の進路を決めてしまいがちだが、あまり数学の好き嫌いにこだわりすぎずに進路を決める方が選択肢の幅が広がるように思う。「子どもがなりたいと思う職業=子どもが目にした中で興味をもった職業」という限定的なものだ。教科の好き嫌いにあまり囚われすぎず、また職業は数えきれないほどあるという事実を知って、子どもたちには将来の選択をしてもらいたい。
出典元:アデコは→こちら