安さだけを求めるのも危険? 非純正バッテリーの抱えるリスクとは

スマートフォンや掃除機、電動工具などで、メーカー正規品ではない非純正のバッテリーを使っている人は注意が必要だ。正規品に比べ低価格で手に入れることができるが、近年非純正バッテリーからの発火事故が相次いでいるという報告がある。一体どのような危険性(リスク)があるのか、また不具合が生じた場合にはどう対処したら良いのだろうか。

バッテリーからの発火で家屋が全焼してしまう事故も

充電中だけでなく充電後に置いておくだけで発火したというケースも(画像は(Image:「独立行政法人製品評価技術基盤機構」プレスリリースより引用)

NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)は、スマホや掃除機などの非純正バッテリーによる事故が多く発生している、と注意を呼びかけている。2017年から2021年の5年間で134件の事故が報告されていて、特にこの3年間は事故が急増し、家屋が全焼するほどの火災も毎年起こっているのだという。

問題となっているのは、インターネットなどで販売している非純正のリチウムイオンバッテリー。海外製のものが多く、メーカー正規品と似たような形状で互換性バッテリーとして低価格で販売されているが、なかには粗悪品も含まれていて充電中や使用中に突然、爆発や発火する。

NITEによると最も多いのは電気掃除機と電動工具の非純正バッテリーの事故。インターネット等で購入する際には、他に比べて極端に安いものや、説明文などで日本語表記がおかしいものは特に注意が必要だという。

さらにそのような非純正バッテリーを使って事故が起きスマホや掃除機、電動工具などが損傷してしまった場合でも、メーカーの修理補償が受けられないことがあるので、そういったリスクも十分知った上で購入を検討しよう。

非純正バッテリーの抱えるリスク

・純正品と比べ、設計不良で異常発生時に安全保護装置が作動しないリスクが高い
・純正品と比べ、品質管理が不十分な場合があり、普通に使っても事故に至るリスクが高い
・事故が発生した際、取り付けた機器のメーカーの対応や補償を受けられない場合がある
・リサイクルルートが確立されていないなど、廃棄が困難な場合がある
※引用:NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)

非純正バッテリーの事故発生件数は、2019年から急激に増えている(「独立行政法人製品評価技術基盤機構」調べ)

もしあなたが非純正バッテリーをすでに持っていたら、事故を起こす可能性のあるものでないか一度確認しておくと良いだろう。経済産業省のホームページには非純正製品による事故が発生した場合には、その対象製品の型番や製造期間が記載されている。一度チェックをしておいても損はないだろう。

また近年、モバイルバッテリーの発火事故も同様に多数発生している。スマホやタブレット、さらにはNintendo Switchなどの携帯ゲーム機などの予備電源として便利なため、持ち歩く人も多いのではないだろうか。だがモバイルバッテリーも長く使い続けているとリチウムイオン電池が劣化し発火の恐れがある。もしもモバイルバッテリーが膨らんだり熱くなってしまった場合には、やはり金属製の容器に入れて密封することをNITEは推奨している。鍋や土鍋でも被害は軽減されるという。

燃えないゴミなどとして不用意に廃棄してしまうと、火災などの事故につながる恐れがあるので、絶対にやめよう。家電量販店でリサイクル品として回収している場合もあるので、その製品に合った適切な廃棄方法で処分しなければならない。

安くて便利な製品の裏には思わぬリスクが潜んでいることがある。後悔しないためにも、購入する際には十分な注意が必要だ。

出典元:安さの裏に潜む非純正バッテリーの危険性 ~発火の事故多発!~(PDF)【NITE】

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