日本では紙幣が2024年(令和6年)度に新しいデザインに変更されることが発表されて盛り上がっているが、香港では、なんと紙幣デザインが3種類もあるのをご存じだろうか? 今回は、とっても不思議な香港ドル紙幣事情を紹介しよう。
香港では3つの銀行が独自紙幣を発行している!
(Image:hkma.gov.hk)
香港ドルは3つの商業銀行が独自に紙幣を発行している。写真は上から「HSBC」「スタンダード・チャータード銀行」「中国銀行」がそれぞれ発行する500ドル券となる
2019年4月9日、日本では紙幣が2024年(令和6年)度に新しいデザインに変更されることが発表された。これらはすべて日本の中央銀行である日本銀行が発行する「日本銀行券」である。何を当たり前のことを言っているのかと訝しがる人もいるかもしれないが、世界では必ずしもそれが常識ではないことがある。たとえば、香港ドルはデザインが異なる3つの紙幣が存在するのだ。
長年イギリスが統治してきた香港。1997年に中国に返還され、現在は中国の特別行政区となっているが、「一国二制度」のもと地方自治が認められている。つまり、香港は中国でありながら別の独立国のように扱われているのである。そのため、香港の通貨は「人民元(RMB)」ではなく、独自に「香港ドル(HKD)」が使われている。硬貨と10ドル紙幣のみ香港政府が発行しているものの、20ドル以上の紙幣に関しては3つの商業銀行がそれぞれ独自に異なるデザインで発行しているのだ。
同じ額面でもデザインが違うのがおもしろい!
(Image:Shutterstock.com)
中国の一部でありながら独自の通貨・香港ドル(HKD)を持つ香港では、「HSBC」「スタンダード・チャータード銀行」「中国銀行」がそれぞれ独自に異なるデザインで紙幣を発行している。そのため、同じ額面の紙幣でもデザインの異なる3種類の紙幣が存在するのだ。日本でたとえると「みずほ銀行」「三菱UFJ銀行」「三井住友銀行」がそれぞれ独自に1万円札や五千円札などの紙幣を発行しているようなものである。奇妙に思うかもしれないが、香港では実際にそうなのだ。
現在香港ドル紙幣は1,000HKD、500HKD、100HKD、50HKD、20HKD、10HKDの6種類があるが、10HKD以外は、それぞれ3銀行が異なる紙幣を発行しているのである。ちなみに、HSBCはライオン像、スタンダード・チャータード銀行と中国銀行は自社ビルがモチーフとなっている。香港に行ったときは是非、両替したあとにお札を確認してみてほしい。
●香港政府観光局(公式)は→こちら