南海トラフ地震や首都直下型地震が懸念されている現在、マンションを購入するときは、価格や設備だけでなく、その土地が安全かどうかを事前に調べておく必要がある。今回は、マンションを買う前に必ずチェックしておきたいハザードマップについて解説しよう。
土地の危険性をハザードマップで調べよう!
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マンションを購入するときは、どうしても駅から距離や価格、間取り、設備などで選んでしまいがちだ。しかし、巨大地震や津波、洪水、土砂崩れなどの災害リスクも考慮しておかないと、あとで絶対に後悔することになる。
2019年2月に政府の地震調査委員会が発表した情報によると、南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率は70~80%。関東地方でマグニチュード7~8クラスの地震が起きる確率は、今後30年以内で90%以上だという。最近では自治体ごとに洪水、津波、液状化現象、火災などの項目別ハザードマップを公開しているので、自分が購入するマンションの場所が、どんなリスクを持っているのかは事前に調べておきたい。
大地震のとき、埋立地や沼地などでは液状化現象がしばしば確認されている。地下のガスや水道管などのインフラが破壊されると、長期間生活できなることも……
地盤が良くても古くからある住宅密集地で火事が起きると、大震災時には消火活動が間に合わず延焼する場合がある
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南海トラフ地震では、四国、大阪、東海地区などの広範囲で津波が来ると予想されている(写真は東日本大震災)
マンションはリスクを知った上で納得して買おう
たとえば、首都圏で地盤が固く地震に強いのは西側で、東側の下町地区は地盤が弱く水害に見舞われる危険性が高い。そのため、首都圏のマンション(土地)価格は西高東低になるのだ。価格が安いのにはそれなりの理由があることを忘れてはいけない。
とはいえ、これは一般論でしかない。たとえばタワーマンションが林立する湾岸の埋め立て地は、液状化対策工事が行われているので、意外と液状化リスクは少ない。また、西側の住宅密集地は大地震で火災が発生すると、道が狭く消火活動が遅れて延焼が広がる懸念もある。
そんなことを言っていたらどこも買えなくなると思う人もいるだろうが、少なくともこれから自分が買うマンションにどんなリスクがあるのかくらいは、自分でしっかり調べた上で、納得してから購入すべきであろう。