近年、テレビを眺めているとあたかも番組の一部のような構成ながら「これはCMです」という表示をされることがある。CMと言われれば「あ、これは広告なんだ」とパッと理解できる人が多いだろうが、以下の言葉すべてを「広告」とつなげられる人がどれだけいるだろうか…?
今回は、消費者庁の発表した「広告であることを理解できる言葉」についての調査結果についてお伝えしていきたい。
「『広告』という言葉が広告だとわかる人」は80%
消費者庁は5月13日、「『事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針』の一部改正案及び『インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項』の一部改定案に関する意見募集について」のお知らせを発表。その中で「広告である旨の文言の消費者の理解に関する意識調査」の結果についても公表した。同調査では、消費者80,000人に対して「PR」や「広告」といった26の言葉の中で「広告だと理解できる言葉」を選択させている。
調査の結果、最も多くの人が「広告だ」と認識できたのは、80%の人が回答した「広告」となった。2番目に多かったのは「PR」で57%。以下、3位「広告企画」(45%)、4位「提供」(44%)、5位「プロモーション」(40%)と続く結果となった。
たしかに、どれもよく聞く言葉だ。「提供」なども番組中に「ご覧のスポンサーの提供でお送りしています」というフレーズでなじみがあるだろう。しかし、とても直球な選択肢にも思える1位の「広告」だが、5人に1人は広告だと認識していないということなのだろうか……?
一方で、最も広告だと認識されにくい言葉は「献本」で、わずか5%しか広告であることを理解できないという結果となった。他にも「Ambassador」(6%)や「プレミアムパートナー」(7%)、「アソシエイトプログラム」(8%)、「Supported」(9%)などが1割に満たない数字を記録した。
ここでおもしろいのは、6%のAmbassadorに対し、「アンバサダー」とカタカナになると15%に増加していることだ。9%のSupportedも「サポーテッド」となると13%に増加するなど、全体的に英語表記のほうがカタカナ表記に比べて、半分程度の理解度に減少している。多くの人が「英語で書かれると広告だとわかりづらくなる」ことが明らかとなった。
ネット上でも「横文字だと広告だとわかる比率が顕著に低下するようだ」「逆に(消費者に広告であると)認識してもらいたい場合は、日本語表記必須ですね」などの反応が寄せられた。
中には「エラーメッセージが英語だと読まない人がいるのと符合するな」と指摘する人もおり、日本人のアルファベットに対する苦手意識が浮き彫りにされたような結果となった。今後は、自分の身を守るためにも英語で書かれた文章ほど、よく目を凝らして内容を確認すべきなのかもしれない。
出典元:「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」の一部改正案及び「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」の一部改定案に関する意見募集について【消費者庁】