マンションの多くは、外気がダイレクトに入ってくる外廊下になっているが、高級物件ではホテルのような内廊下になっている場合がある。このふたつはどちらにもメリットとデメリットがあるので、人によって判断は異なるが、購入後に変更できない部分なので、マンションを選ぶ前に、両者の違いをしっかり確認しておこう。
内廊下には高級感があるが維持コストが高い
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マンションの多くは外気が直接入ってくる外廊下になっているが、高級物件ではホテルのような内廊下になっていることがある。マンションを選ぶとき、モデルルームで室内は確認できるが廊下は確認できないことがほとんどなので気にする人はあまりいないが、買った後に廊下を変更することはできないので、必ず購入前に確認しておきたい部分だ。
まず、内廊下はほとんどの場合にカーペットが引いてあり、ホテルのような高級感がある。風や雨の影響を受けず廊下を歩く人の音も聞こえにくいので、とても静かなことが内廊下のメリットだ。人によっては薄暗くて怖いと感じる人もいるようだが、内廊下はそれが高級感につながっているとも言えるので、感じ方は人それぞれ。
ただし、窓を外周部にしか作れないため、窓がない部屋いわゆる「行灯部屋」が発生しがち。また、家の中を通り抜けるような風は発生させにくいため、通風の面では外廊下に劣る部分もある。気になるランニングコストとしては、空調の運転費とカーペット清掃費があるが、全体の管理費からすればさほど大きな負担にはなっていないようだ。とはいえ、空調やカーペット張替えといったメンテナンスコストがかかるのは事実である。
高級マンションに多い内廊下。メンテナンスコストはかかるが、ホテルのような高級感がある
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一般的な低層マンションにも多い外廊下。メンテナンスコストは安いが高級感はなく、雨が吹き込むことも……
通常のマンションの延長線となる外廊下
一般的なマンションでは外廊下が採用されることが多い。外廊下には「内廊下より建築費が安くなる」「ランニングコストやメンテナンスコストが内廊下に比べて少ない」といったメリットはあるものの、台風の日などは直接雨が吹き込むので、廊下でも傘をさすことになる場合もある。もちろん、床の素材は安価な塩ビなどの樹脂が多く高級感は一切ない。マンションに高級感を求めるなら外廊下は避けたほうがよいだろう。
とはいえ、外廊下なら廊下側にも通風のための窓を作ることができるので、行灯部屋は内廊下に比べて原理的に発生しにくく、バルコニーから廊下に抜けるような風を通すことができるのはメリットと言える。住まいとして考えれば、高級感はないものの住みやすいのがメリットだろう。
ちなみに、タワーマンションでも外廊下が採用されることは多く、高層階の廊下から1Fまで吹き抜けになっている物件もあるので、高所恐怖症の人に外廊下のタワーマンションはあまりおすすめできない。
タワーマンションでも外廊下は多い。高層階から1Fまで吹き抜けになっている物件もあるので、高所恐怖症の人にはおすすめできない