6月27日、人気オークションサイトの一つ「ヤフオク!」が、配送時に取引相手の電話番号を表示させない仕様への変更を発表した。SMS認証を利用したYahoo!ID乗っ取り被害の広がりを受けての対応だが、ネットでは正しい方法かどうか疑問視する声も。これからも安心してヤフオク!を利用するために知っておくべきことはなんだろうか。
ネットでは賛否両論! これからヤフオク!利用時に気を付けることは?
今回の変更は、ヤフオク!の出品者と落札者に互いの情報を公開する「取引ナビ」機能で適用される。公開する情報は氏名、住所、電話番号であったが、6月27日からは電話番号が非表示となった。
ヤフオク!の仕様変更についてネットの意見は賛否両論。被害を防ぐための措置に理解を示す者もいれば、配達時に何かあっても確認できず、返送や再配達が増えるリスクを懸念する声も多数。「仕様変更で一番大変なのは配達業者」と、配達業者を心配する意見もいくつかみられた。
ユーザーからはほかにも、電話番号が表示されないことで配送時の送り状に書く電話番号は、どうすればよいのかという悩みもあげられた。これについてYahoo!側は、元々送り状への電話番号の記載は任意である事実を述べ、必要な場合は「00-0000-0000」などダミーの電話番号を記載するよう呼び掛けている。この異例の対応は、ID乗っ取り被害がかなり深刻であることを物語っているのかもしれない。
また、Yahoo!はヤフオク!にて匿名発送が利用可能な場合は匿名での取引を推奨する、との意見を出した。だが、別のフリマアプリと同様に、いっそのことヤフオク!も基本は匿名配送という風に方針転換した方がユーザーとしては安心できるだろう。ヤフオク!の仕様については、まだまだ改善の余地があるといえる。
ユーザーからはYahoo!ログイン時のSMS認証について変更を求める意見も
ヤフオク!の仕様変更の発端は、SMSを利用したYahoo! ID乗っ取り被害。これについて近年Yahoo!が進めているSMS認証が、そもそも問題なのでは、という意見がユーザーを中心に多くみられた。
SMS認証とは、ログイン画面で携帯電話番号を入力し、端末のSMS宛てに届く認証コードを入れることでログインできるという仕組みだ。このログイン方法の穴は、確認コードさえわかれば誰でもログインできてしまう点。そのため、Yahoo!や配送業者を装い「確認のためコード番号を教えてほしい」と言って確認コードを聞き出す手口が横行したのである。この詐欺は、電話番号を手に入れることからはじまるため、ヤフオク!で電話番号を表示させる危険性が高まり、今回の仕様変更へとつながったと考えられる。
ログイン時のセキュリティ強化のため、Yahoo!はSMS認証とあわせて指紋や顔などの生体認証の登録を推奨。生体認証を設定すれば確認コード無しでログインできる仕様だ。端末ごとに登録する必要があり、さらに生体認証によるログインは指紋や顔認証つきのスマートフォンに限られてしまう点はあるものの、たしかに安全性は高くなるといえるだろう。
だが、生体認証が進めばSMS認証の必要性がいよいよ、なくなるのではないだろうか。SMS認証を積極的に進めたいYahoo!が抱える課題に対し、どのような対処をしていくのか注目したい。
●取引情報の電話番号表示の仕様変更について【ヤフオク!】
※サムネイル画像(画像は一部編集部で加工しています)