入場券の予約がなかなかできないことで盛り上がってきた2020東京オリンピックだが、実は、晴海に建設される選手村がオリンピック終了後に分譲マンションとして売り出されることをご存じだろうか? レインボーブリッジを見渡せる晴海に4,000戸を超えるマンションが売り出されるのである。果たしてどんな物件なのか? 今回はオリンピック選手村をリノベーションして販売される分譲マンション「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」を紹介しょう。
中央区としては広めの部屋が割安で買える!
(Image:31sumai.com)
晴海に建設される2020東京オリンピックの選手村は、オリンピック終了後に5,632戸の住宅に1万2,000人が暮らす巨大な街に姿を変える。具体的には2棟の50階建タワーマンションと17棟の中層マンション、4棟の賃貸マンションになる予定だ。そのうち分譲マンションは4,145戸と空前の規模で、「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」として2019年8月から販売が開始されるのである。銀座、虎ノ門、新橋、大手町といった東京の一等地まで3kmほどという好立地(中央区)に、4,000戸以上の分譲マンションが相場より10%ほど安く販売されるというのだから注目度は満点。事実、2019年5月のGWにはモデルルームに約1,000組が訪れたという。
「HARUMI FLAG」の住戸のタイプは85㎡前後の3LDKのファミリータイプが中心で、周辺の物件よりも広めの部屋が多いのが特徴。坪300万円を切る5,000万円台の低価格物件が注目されているが、資金に余裕のある層からすれば、中央区で90~100㎡という広めの部屋が、7,000円~1億円で買えることのほうが驚きであろう。
「HARUMI FLAG」は4街区に分けられ全19棟が建設される。そのうち2棟が50階建てのタワーマンションになる。SUN(1,822戸)、PARK(1,637戸)、SEA(686戸)の3区画が分譲マンションとして販売される予定。PORT(1,487戸)は賃貸マンションとなる
2020年東京オリンピック選手村として建設中の「HARUMI FLAG」。実際に入居できるのはオリンピック終了後の2023年3月下旬予定している
「HARUMI FLAG」のSUNとPARKからはド正面にレインボーブリッジが望める最高の眺望。東京湾花火が復活すれば、特等席となるだろう
駅から徒歩20分超え!? 陸の孤島でも買いか?
「HARUMI FLAG」の魅力は立地や価格だけではない。2,500mmという高めの天井や2mの広いバルコニー、廊下幅1mなど、全体的に周囲の物件より余裕のある作りになっている。また、スケールメリットを生かし、ゲストルームやパーティールーム、カフェラウンジはもちろん、足湯ラウンジやシアタールームなど、51もの共用設備が設けられているのだ。
とはいえ「HARUMI FLAG」が安いのには理由がある。まず、最寄り駅である大江戸線「勝どき」からは徒歩約17~22分もかかり、陸の孤島と揶揄されることも……。2022年以降は、BRT(バス高速輸送システム)が開通して新橋までは10分で行けるというが、その輸送力にはやや不安が残ること。また、嫌悪施設である清掃工場が近いなど、特殊な事情もある。
なお、「HARUMI FLAG」はこれだけの大型物件だけに、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産など大手10社が共同で販売にあたるというが、本当に4,000戸超の戸数を値引きせずに完売できるのかという心配もある。確かに「HARUMI FLAG」は、今後二度と出ないような都心の大型物件だが、将来、中古も大量に出てくるはず。そのとき、最寄り駅から徒歩20分というのは、売却時にかなりハンデになる可能性があることも考慮しておきたい。
(Image:metro.tokyo.jp)
2022年度以降に開通する予定のBRT(バス高速輸送システム)。2020年度は虎ノ門と晴海二丁目を結ぶルートが開通し、2022年度以降は晴海五丁目(HARUMI FLAG)-新橋間も開通する予定。輸送力に多少不安はあるが、開通すれば新橋まで10分ほどで行けることになる
(Image:metro.tokyo.jp)
晴海地区では道路の整備も行われる予定。豊洲市場問題で開通が遅れている環状2号線は、まず暫定区間として有明-虎ノ門を結び、2022年度までに神田まで全線開通する予定