7月2日に発生したauの大規模通信障害で、大きな注目を集めたのが公衆電話だ。携帯電話の普及により、台数を減らしている公衆電話だが、過去には東日本大震災などの災害時や緊急時に重宝され、その必要性は繰り返し説かれている。とはいえ、日常生活での利用シーンは間違いなく減少しており、その使い方を「知らない」という人も珍しくないようだ。
公衆電話、若者の中では4割「使ったことがない」
株式会社SheepDogが運営するITツール比較サイト「STRATE(ストラテ)」は2022年6月27日、宮城県・東京都・愛知県・大阪府・福岡県に住む15~24歳の男女300人に向けて公衆電話に関する調査を行った。
アンケート結果では60%が「使ったことがある」と答えた一方で、「使ったことがない」が29%、「そもそも見たことがない」が11%とあわせて4割に。人口の多い大都市を抱える都府県を対象にしているにもかかわらず、5人中2人は使った経験がないというのだ。
また、同社が2021年10月に、同地域の15~19歳の男女300人に行ったテレホンカード(テレカ)に関する調査で、認知度と利用経験について尋ねたところ、「知らない」が22%、「知っているが、使ったことはない」が45%とあわせて67%と多数に。「知っていて、使ったことがある」は33%にとどまった。
知っておきたい、公衆電話の使い方
通信障害を受けて公衆電話の使い方に困っていたのは、利用したことがない若者だけではない。かつて、公衆電話を利用していた世代も「最初に受話器を取るってことすら思い出せずに、お金を入れてそのまま出てきてパニックだった」など、SNS上で戸惑いの声を上げていた。
公衆電話は、まず受話器を持ち上げてから10円玉かテレホンカードを入れ、発信音が聞こえたら電話番号を押して通話する。
また、緊急時は無料でつなぐことができる。電話機にある緊急通信用の赤いボタンを押し、発信音が聞こえたら110番や119番をプッシュ。赤いボタンがない場合は、そのまま番号を押せば通話できる。いざという時に慌てないよう、確認しておくとよさそうだ。
公衆電話は、災害時のインフラとして活躍するだけでなく、屋外での最低限の通信手段確保などの観点から設置基準が定められている。しかし、今年4月に基準が緩和され、今後は市街地で1平方kmに1台、その他の地域は2平方kmに1台と改定前の倍になった。今後5年間で、さらに4万台の公衆電話が姿を消す見通しだ。
いざというときの“備え”として、削減の方向でいいものか不安はある。
出典元:公衆電話に関するアンケート【STRATE[ストラテ]】
出典元:テレホンカードに関するアンケート【STRATE[ストラテ]】