「マイナンバーカード」住所変更手続きの罠 – 誰も教えてくれない

最大2万円がもらえるマイナポイントで話題の「マイナンバーカード」だが、引っ越しをしたときは、14日以内に住所変更手続きをしなければならないことをご存じだろうか? しかも、住所変更手続きを行うと、自動的に署名用電子証明書が失効してしまい、思わぬトラブルに見舞われてしまうこともある。そこで今回は、マイナンバーカードの住所変更手続きについて詳しく解説しよう。

引っ越しをしたら14日以内にマイナンバーカードの住所変更を!

「マイナンバーカード」とは12桁のマイナンバー(個人番号)と、住所、氏名、生年月日、性別、顔写真を表示した身分証明書のことである。

2022年9月末までにマイナンバーカードの申し込みを行うと、最大2万円のマイナポイントがもらえるチャンスがあることが話題となっているが、マイナポイント第2弾についてはこちらの記事を参考にしてほしい。

マイナンバーカードを取得したあとは、いくつか注意したいポイントがある。まず、マイナンバー(個人番号)そもものは一生変わることがないが、マイナンバーカードには10年の有効期限がある(20歳未満は5年)こと。

次に、マイナンバーカードには「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」という2つの電子証明書が設定されており、こちらの有効期限は5年となっていること。この更新を忘れているといろいろな困ることもあるので、詳しくはこちらの記事で確認してほしい。

そしてもうひとつ。マインバーカードは引っ越しして住所が変わったときに、14日以内に役所に出向いて住所変更手続きを行わないといけないこと。もし住所変更手続きをしないまま90日を過ぎるとマイナンバーカードは失効してしまうのである。

マイナンバーカードの表面は顔写真付きの身分証明書として利用できる。裏面は個人番号と生年月日が記載されている(画像はマイナンバーカード総合サイトより転載)

●マイナンバーカード総合サイト→こちら
●総務省「マイナンバーカード」→こちら

マイナンバーカードの住所変更手続きはどうすればいいの? 

マイナンバーカードを取得後に引っ越しする場合は、必ず引っ越し先の役場で転入届(同一市区町村内なら転居届)を提出するときに、マイナンバーカードの住所変更手続きも行っておこう。

この手続きは引っ越しから14日以内に行うことになっており、転入届を出してから手続きをせずに90日が経過すると、マイナンバーカードは失効してしまう。

役所で転入手続きをするときは、「マイナンバーカード」と「4桁の暗証番号」が必要となるので、必要なものを事前に準備してから役所に行こう。なお、同一世帯の家族分をまとめて行うときは、手続きをする本人の身分証明書も必要になるので、事前に役所の公式サイトで確認しておきたい。 

住所変更手続きを行うと、マイナンバーカードの表面にある追記欄に新住所が記載される。もし、何度も引っ越してこの欄がいっぱいになったら、無料でマイナンバーカードを再発行してもらえることになっている。

ちなみに、マイナンバーカードの住所変更手続きは代理人に委任することもできるが、依頼人直筆の委任状や代理人の印鑑、代理人の身分証明書などが必須となっている。

こちらは実際に結婚して住所と氏名変更を行ったマイナンバーカードの例。カード表面の追記欄に新住所と氏名変更が書き込まれている(筆者撮影)

引っ越しをしたとき、役所で住所変更手続きを行っただけで安心してはいけない。

実は、マイナンバーカードの住所、氏名、性別、生年月日、いずれかの変更を行うと、事前に登録してある「署名用電子証明書」が自動的に失効してまうのだ。

この署名用電子証明書はe-Taxでの確定申告などで必要になるので、住所変更をするときに新規発行手続きをしておくほうがよい。

署名用電子証明書の暗証番号(英数字混在の6桁~16桁)が分かっていれば、役所ですぐに新しい署名用電子証明書が発行されるので、事前に準備してから役所に行くようにしたい。

実は、このことはあまり知られておらず、住所変更時に役所の担当者がそのことを教えてくれることは少ないという。もし、e-Taxで確定申告している人なら十分に注意したい。

なお、利用者証明用電子証明書(数字4桁)については氏名、住所などの変更では失効しないのでご安心を。

パソコンからマイナンバーカードを利用してe-Taxで確定申告を行う場合は、署名用電子証明書が必要になるが、住所変更を行うと署名用電子証明書は失効してしまうので注意しよう(筆者差撮影)

まとめ

いかがだろうか? マイナポイントに釣られてマイナンバーカードを取得したはいいものの、引っ越し時に住所変更を行わないと90日で失効してしまうことを知らない人も多いと思う。

しかも、住所変更や結婚で氏名を変更したりすると、署名用電子証明書が自動的に失効してしまうことなど、ほとんど知られていないだろう。

もちろん、署名用電子証明書を必要とするのはフリーターや個人事業者などが多いだろが、サラリーマンでもマンションを買って住宅ローン控除を受けるときや、転職した場合には確定申告が必要になる場合もあるので、覚えておいて損はない。

藤原博文
編集・ライター。長年、パソコンやスマホ、サブカル関連雑誌の編集部を渡り歩いてきた編集者。個人的に株式、投資信託、FXなどの投資活動を活発に行っているほか、クレカや電子マネー、スマホ決済アプリなどのポイ活にものめり込み、最近はマネー系の記事も数多く手掛ける。

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