「俺、夏場はいつも蚊に刺されちゃうんだよね」など、「蚊に刺されやすい人、刺されにくい人がいる」といった話をしたことがある人は多いだろう。夏の風物詩のように繰り返される話題だが、遺伝子の情報から「刺されやすさ」を解析したという研究結果が公表された。
今回は、「蚊に刺されやすい人が多い都道府県」についてお伝えしていきたい。
上位には中国・四国地方が多数ランクイン
研究結果を発表したのは、ミドリムシの食用屋外大量培養技術を確立し、食品や化粧品などの開発を行う株式会社ユーグレナだ。同社が手がける遺伝子解析サービスでは、ゲノムデータをもとにかかりやすい病気や体質の遺伝的傾向についての情報を提供している。そのようなユーグレナが今回、「蚊に刺されやすさ」に注目。20,000人以上のデータを集計した結果から、「蚊に刺されやすい遺伝子タイプが多い出生地(都道府県)ランキング」を発表した。
1位となったのは「愛媛県」だ。「蚊に刺されやすいタイプ(遺伝子型:GG)」を持つ人の割合は14.55%である。2位にランクインしたのは「高知県」で12.12%となるため、愛媛県は頭一つ抜きん出ていることがわかる。
3位となったのは「福島県」で12.05%、4位は「山口県」で12.01%、5位は「富山県」で11.54%となった。トップ10では7位に「島根県」、8位に「徳島県」が入っており、中国・四国地方が上位に多く、蚊に刺されやすい人が多い傾向になっている。
血液型では「O型」が最も刺されやすい
ランキングの下位は、どのような結果になっているのだろうか。ランキングを見てみると、47位が「山梨県」で5.15%、46位が「宮崎県」で5.30%、45位が「沖縄県」で6.01%となっている。上位と下位の間には約10%近い開きがあり、遺伝子タイプの分布に差があるのは明らかだ。
一方で、上位に並んだ四国にほど近い宮崎県が46位となったり、いっしょくたにされがちな「島根・鳥取」が島根県が11.30%で7位、鳥取県が6.06%で44位になるなど、近いエリアでも似通った結果になるわけでないことも興味深い。
調査では、話題に上りがちな「蚊に刺されやすい遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い血液型」についても公表されている。1位となったのはO型(9.47%)、2位がAB型(8.94%)、3位がB型(8.83%)、4位がA型(8.24%)である。出生地ほど割合に大きな差はついていないものの、多少の差はある。この結果は、2004年の学術誌「Journal of Medical Entomology」で害虫防除技術研究所の白井良和氏が報告した「蚊はO型の血液型を好む」という結果とも一致しているという。
今回の発表から、「中国・四国地方の出身でO型」である場合、蚊に狙われやすい体質である確率が高いということがわかった。これまで蚊に刺されやすい指標として出されがちだった「血液型」以上に、これからは「出生地」がどこであるかも手頃な話のネタになりそうだ。
ちなみに、自分がどのタイプに該当するかは同社の遺伝子解析サービスでチェックすることもできるそうなので、気になる人は試してみるのもおもしろいかもしれない。
出典元:蚊に刺されやすい遺伝子タイプが多い出生地(都道府県)ランキング【株式会社ユーグレナ】
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