高校や大学を卒業して就職すると、まず初めに新入社員研修を受けるケースが多いだろう。新入社員研修では、社会人としてのマナーや電話応対の仕方、正しいメール文書の作成方法などを教わることになる。社会人としてのスタート時に「こうすべき」「こうしないと失礼になる」という考え方が刷り込まれるため、そうしないという選択肢はなくなっていくものだ。
今回はビジネスチャットで国内利用者数トップであるChatworkが行った、最新のビジネスコミュニケーションに関する調査結果をご紹介していくことにしよう。
メールと電話は現在もツートップ
まずはじめに「普段、仕事で利用しているコミュニケーションツールをすべて教えてください」という質問の結果から。最も多かった回答は「メール」で77.6%。次いで電話が74.7%と、おなじみのツール2つが上位を占めていることが明らかに。
そして3位には「ビジネスチャット(Chatwork、Microsoft Teams、Slackなど)」で46.4%。ビジネスチャットはこれまでも多くの企業で利用されてきてはいたものの、コロナ禍でテレワークが進んだ際に導入した、という企業もあるだろう。以降、4位「FAX」(30.5%)、5位「個人向けチャット(Facebook Messenger、LINEなど)」(25.1%)と続く結果となった。
実は、定型文「お世話になっております」には莫大な費用が!
続いては「メールを送る際、『お世話になっております。〇〇(名前)です。』『よろしくお願いいたします。』などの定型文を使っていますか?」という質問。結果は「使っている」が83.6%と圧倒的多数。「使っていない」人は16.4%だった。
メールは48.2%が「最も利用頻度の高いツール」と回答するなど、使っていないサラリーマンを探すほうが難しいツールだ。だからこそ定型文を使うことが刷り込まれていると言えそうだ。しかしそんなメールでは83.6%が定型文を使用しているというものの、そのうち半数が「面倒だ」と思っていることも、今回の調査で明らかとなった。
また、1時間に何回程度定型分を使うかの頻度の調査結果からの試算で、さらに驚きの事実が明らかに。54.1%と半数を超える人が1時間に5回程度送信しており、この定型文をタイピングする時間だけを1日10分として、全国就業人口にメール使用率を掛け合わせ、全国平均時給で換算すると、定型文を入力する時間に対して1日で約81億2,900万円もの金額が給与として支払われている計算となったのだ。
年間ではなく1日での話である。生産性を議論する方々はこういった部分から見直していくのも大切なのかもしれない、と思わせられる数字となった。
近年普及しだしているビジネスチャットは、メールほど堅苦しくもなくやり取りするのが自然なので、定型文の入力という無駄な時間が省けるのはかなりのメリットとなりそうだ。まだ試したことのない企業では取り入れてみる価値がありそうだ。
出典元:2022年「ビジネスコミュニケーション最新調査」1日で最大81億2900万円分の給与が「お世話になっております」に支払われている!【Chatwork】
※サムネイル画像(Image:Koshiro K / Shutterstock.com)