仕事や趣味、暮らしに欠かせないツールとなっているスマートフォン。利便性はますます高まると同時に、依存傾向にあることが問題視されている。株式会社ライボが運営する就職などキャリアに関する調査を行う「Job総研」が、その利用状況を明らかにする「2022年 スマホ使用の実態調査」を実施した。対象は18歳から50代の社会人男女2,235人だ。
スマホの1日の使用時間のほとんどがプライベートに費やされる?
まず、携帯電話の所有率について調査したところ、携帯電話を持っていない人はわずか0.9%で、所有率はほぼ100%となっていた。
調査対象の2,235人のうち、「所有しない」と回答したのは20人で、そのうち8割が20代と大多数を占める。また20人中19人は今後も携帯電話を所有しないと答えており、その理由としては「本体の購入金額が高いから」「使用のランニングコストが高いから」など、コストに関するものが多かった。
なお、携帯電話所有率99.1%内でのスマホ所有率は100%。スマホ所有者の主な使用目的については、「プライベート関連」が87.9%と飛び抜けている。「仕事関連」はわずか10.8%であり、それほど多くはないようだ。使用時間は平均して4時間54分という結果に。両方の結果をあわせると、忙しい社会人もそれなりの時間を趣味やプライベートにつぎ込んでいると言えるかもしれない。スキマ時間でも趣味を楽しめるというのは、スマホの長所だが、そのせいで危険な状況を生み出していると言えるのが「歩きスマホ」だ。
大半の人が歩きスマホを「危険と感じる」が…。経験者がおよそ9割
調査で「歩きスマホ」の経験について尋ねると、全体の87.9%とほぼ9割にのぼるユーザーが「経験あり」と回答した。経験のない人はごく少数であり、注意散漫な歩行者は間違いなく増加していると考えられる。
歩きスマホについて「その際に危険を感じる体験をしましたか」という質問では、「すごく危険を感じた」が7.7%、「危険を感じた」が18.5%、「少し危険を感じた」が47.1%とあわせて73.3%となっている。本人の自覚があるだけでもこの数字であり、「危険を感じなかった」と答えた26.7%の人のすべてが本当に危険ではなかったということにはならない。
さらに、コメントでは「注意しながら歩きスマホをしていても事故ってしまったことがあります」という事故当事者の声や、「電車のホームで歩きスマホをして線路に落ちた現場を見てから気をつけるようになった」という、事故を目の当たりにしてからは歩きスマホを止めたという声が上げられていた。
コメントでは否定的な意見が多い一方で、多くの人が歩きスマホを何気なくしていると、わかった今回の調査。身近に危険が迫ってから改善するのでは手遅れになる場合もあるのだと、あらためて肝に銘じたい。