紙書籍vs電子書籍の戦いは、現代社会における一つのテーマである。今回は「otalab」が行った「漫画の利用実態調査」の調査結果を見ていくことで、その戦いの内部を少しのぞくことができそうだ。気になる決着の行方ははたして、どのような形に落ち着いたのだろうか。紙派も電子派も、それぞれの思惑を胸にご覧いただきたい。
漫画を読むなら紙派? 電子派?
2022年9月1日〜2022年9月12日の期間で、47都道府県在住の10代以上の男女2,820人を対象に、otalabが「漫画の利用実態調査」を行った。『漫画を読むなら「紙派」or「電子派」or「どちらも使用する派」?』のうち、最多回答は「電子派」の43.4%であった。ついに、紙書籍vs電子書籍の対決に終止符が打たれた、のかもしれない……。この結果を年代別に見てみると、20代の46.8%、30代の49.7%が「電子派」と回答していることがわかる。
なお、同調査では、紙・電子別の漫画に使っている月の課金額も集計している。紙は「1,000円以上〜2,000円未満」が最多の34.9%、電子書籍では「無課金」が最多の30.6%という結果であった。
紙派も落ち込むことなかれ
「紙vs電子に決着」と聞くと、紙派の方の中には寂しく思われる方もいるのではないだろうか。しかし、「20代」「30代」において紙派よりも電子派が上回るのは、なんとなく予想もつくものだ。同様に「60代以上」は紙派が電子派を上回るという予想に行き着く。注目したいのは、それ以外の「10代」「40代」「50代」だが、この3つの年代では紙派と電子派が拮抗している。
同調査での回答者の比率は、20代26.3%、30代39.6%と、20代〜30代で6.5割ほどを占めている、という点も鑑みれば、電子派が優勢になるのは仕方がないのでは。紙派の方々も、まだ寂しく思わずともよいはず…と筆者は思ってしまう。紙には紙のよさが、電子には電子のよさがある、と当たり前のこともここで言っておこう。
今回は「漫画」に関する調査の結果、電子派に軍配が上がる形となったが、ここが「小説」などに変化した場合はどのような結果になるのだろうか。昨今は、無料の漫画アプリなどが多く、それに比べると無料で読める小説の類の活字媒体はかなり少ない。漫画の電子書籍は人々になじみやすい状況なはずだ。ともすれば、小説はまだまだ紙書籍が優勢なのではないかと、思わないでもない。
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※サムネイル画像は(Image:「株式会社アップデイト」プレスリリースより引用)