Visaが公表した最新の調査レポート「Fraudulese: The Language of Fraud(まやかしの言葉:詐欺の文言)」から、驚きの結果が判明した。半数近くが、自分は詐欺に引っかからない自信があると回答している一方で、73%はデジタル通信において押さえるべき要注意ポイントを見逃す傾向にあるというのだ。今回は、巧妙な詐欺メールの文言についてお伝えしていこう。
詐欺には、どのような言葉が使われやすいかを知ることが重要
オンライン詐欺は日常生活のいたるところに潜んでいる。「無料で差し上げます」「今すぐお電話を/ご覧ください」なんて文言がメールで届いたことがある方は一定数いることだろう。電力会社を装った点検の案内や行きつけのお店の当選メールなど、騙しの文句はさまざまだ。
Visaの最高リスク責任者のポール・ファバラ氏は、デジタルファーストの世界では、詐欺の文言を知ることがますます重要になっている、と語っている。
同社は、2022年に犯罪者がショートメッセージで使う文言についての言語解析を英国の研究者に委託。この研究によって、不正なテキストメッセージのうち、トラブルやオファーへの反応を促すものが87%と、最も多かったことがわかった。ついで多かったものは、問題が発生したとして受信者に行動を促すものであったようだ。
Visaが公表した最新の調査レポート「Fraudulese: The Language of Fraud(まやかしの言葉:詐欺の文言)」からは、テクノロジーに非常に詳しい消費者でも詐欺に気づかず、サイバー犯罪者に隙をつかれていることが判明している。
詐欺メールを見破るポイントは?
さらに同調査レポートからは、消費者は、「自分は十分、警戒できている」と考えている一方で、約9割の人は「友人や家族は詐欺の被害に合うのではないか、と心配している」という結果も出た。「周囲の人は自分より騙されやすい」という意識が、思いの外はたらいているようだ。そのような自意識に引っ張られず、騙されないよう対策するには、どのような行動が有効なのだろうか。
詐欺を見破るためにはいくつかポイントがある。まず、詐欺のメッセージは消費者の興奮状態につけ入るものであり、「当選しました」「限定割引」「無料で差し上げます」「今すぐ〇〇を」などは、頻出の詐欺文言なので注意しよう。
次に、内容の信憑性を確認するには、簡単に偽装できてしまう「企業名」や「ロゴ」ではなく、「アカウント番号」や本人と企業のやり取りの詳細、などの偽造されにくい点を確認する必要がある。
さらに、「送信元のメールアドレスが有効かどうか」や、「書いてある文章の綴りが正しいかどうか」なども、重要な見極めポイントだろう。
「個人情報は漏らさない」「リンク先が記載されている内容と異なっていないことを確認してからクリックする」「購入通知をオンにする」「怪しい場合は、企業のウェブサイトや自分の利用している金融機関などに電話して確認する」「受信したメールに記載してある番号は犯罪者からのものである可能性があるため電話しない」などの方法は、シンプルかつ有効な手段と言えそうだ。
Visaは、クリックする前に一瞬立ち止まって、詐欺業者の使う言葉を考えることが自己防衛につながると述べている。
参照元:【Visa】