ネットショッピング、グルメ探し、不動産情報…。購買行動につきものの情報収集や、決断の決め手として「口コミ」を参考にしたことはないだろうか。高評価レビューが集まる飲食店に、その味を求めて大挙として人が並ぶ風景も、口コミの力を表す一例だ。一方で、口コミに対して疑いや不信感を抱いている層もいることが明らかになった。
半数以上が「口コミを信用していない」そのワケは?
日本トレンドリサーチは、会宝産業が共同で行ったネットの口コミに関するアンケート結果を公開。車買取業者の口コミを中心としたアンケートで、業界を絞った内容ではあるが、問いのひとつ「ネット上にある『口コミ』をどれほど信用しているか、当てはまるものを選んでください。」では、アンケート回答者1500人のうち47.2%が「あまり信用していない」、9.3%が「まったく信用していない」と回答し、全体の半数以上が「信用していない」という結果になった。
その理由について、「あくまで参考程度でしかない」「自分の感覚や基準と他人は異なると思う」といった自分を信じる派の声もあれば、「サクラが多いと聞いているから参考程度にする」「大体よいことが中心に載っていて、悪いことはカットされているのではないか」といったビジネス的な思惑を疑っているようだ。
「口コミ=あやしい」という世論の高まりをうけてか、今年10月には消費者庁が口コミを装ってネットに投稿する「ステルスマーケティング」の法規制の検討をはじめたばかりだ。「ステマ」という略語で一般化している背景からも、口コミをそのまま受け入れる層はそういないのだろう。
商品・サービスによって口コミの信用度は違う?
口コミを信用しない層の存在がいるのは事実だが、一方で「高額商品だからでは…」という仮説が思い浮かぶ。しかし、TableCheckが実施した「第3回グルメサイト意識調査」の情報によると、グルメサイトを信用しない層は2020年と比較して、2022年は1.2倍に増加。実に、30.4%が「信頼しない派」という結果になった。グルメサイトでも口コミへの疑いの目は広まっている。
口コミの象徴であったグルメサイトに代わり、消費者がグルメ情報を検索する手法として台頭したのがGoogleだ。グルメサイトの利用率が61.3%に対し、Googleは86.1%と大差をつけている。
その成長要因として、コロナ禍で検索・予約といった飲食店関連機能を充実させたことが挙げられているが、気になるのはGoogleマップにも口コミ機能はあるという点。口コミに触れる機会がありながらも、Google利用者が多いということは、口コミは「何を言っているか」よりも、「どの媒体に載っているか」が大事なのかもしれない。
出典元:【口コミどれほど信じる?】56.5%が、ネット上にある口コミを「信用していない」【日本トレンドリサーチ】
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出典元:【第3回グルメサイト意識調査】加速するグルメサイト離れ。「Google」利用率トップに。「食べログ敗訴は妥当」、飲食店で多数派【TableCheck】
参照元:口コミ装い宣伝投稿、「ステマ」法規制検討へ…消費者庁が年内にも具体策 欧米では違法の国も【読売新聞オンライン】