買い物の手段の一つとしてインターネットを使うのは、いまや当たり前といえる。そのようなわれわれの購入品を届けてくれるのが運送会社だ。受け取りの際は、できる限り家に居たいと思うが、タイミングがずれてしまうこともしばしば。不在票やメールなどで通知してくれることは非常にありがたいといえる。
しかし、そこに目を付けた者により、再配達や受け取り日時の変更依頼を騙ったメール、なりすましサイトなど、詐欺被害が続出しているのだといわれている。大手運送会社・ヤマト運輸が、自社のなりすまし行為がどのように行われているのか注意喚起を出したことからも、被害の大きさがうかがえる。自分もうっかり被害にあわないよう、詳しい内容を見ていこう。
巧妙な手口で送られる迷惑メールにご用心! 身に覚えのない不在票は無視しよう
メールが届いたとき、まず目に入るのが送信者の名前だろう。たいていの迷惑メールは、送り主を「ヤマト運輸」と偽っており、中には送信元のメールアドレスのドメイン名でさえも「kuronekoyamato.co.jp」と、表示するものまである徹底ぶりだ。差出人だけを見てしまうと、たいていの人が本当のヤマト運輸から来たと騙されてしまうことが想像される。また、件名の頭に【ヤマト運輸】と書かれているものが多く、より信ぴょう性を強めるための偽装であるといえるだろう。
そのほかにも、なぜか件名の後ろに、商品番号のように数字が組み合わさって表示されていたり、「不在通知」や「宅急便お届けのお知らせ」など、届け予定のものがある前提で再配達を迫るメールなども多いため、気をつけたい。
メールの文面には、人の罪悪感を利用した表記も少なくないといえる。その中の一つには「48時間に連絡が取れない場合は荷物を返却する」とタイムリミットを設け、相手を焦らせるものも。だが、焦ってしまいメール下に表示された電話番号に連絡することは危険な行為といえる。この電話番号はヤマト運輸とまったく関係ないものになるため、詐欺相手につながる可能性が高く、自分の電話番号が相手に知られてしまうリスクがかなり高いのである。後で冷静に考えても、もう遅い…などということがないよう、まずは、自分が本当に荷物を購入したのか、送付中の場合はいつ届く予定であったのかを確認するとよいだろう。
押したらそれまで。「詳しくはこちら」ボタンが正しいかを確認する方法とは
なりすましメールの怖い点は、まだあるだろう。多くの迷惑メールでは、他のURLに飛ぶように誘導されることが少なくないのである。たとえば、ヤマト運輸の迷惑メールの場合、荷物の情報確認のためにアプリを更新するようアナウンスされ、関連リンクを紹介される。しかしリンクを押したが最後、一気に不正サイトへ移動してしまう仕組みになっているのだという。
ほかにも、送り状番号や確認ボタンにリンクが貼られていることもあるため、しっかりと注意したい。また、危険なのはメールや電話だけではない。ショートメールで送られた不在票にも注意が必要だ。ヤマト運輸はショートメールでの再配達アナウンスは行っていないため、もし、ヤマト運輸を騙るメッセージが来た場合は無視すべきだといえる。
ヤマト運輸は、なりすましサイトの詳しい内容も紹介している。かなり本物に近いなりすましサイトでは、「インストール」や「ダウンロード」が必要という言葉に注意したい。インストールボタンを押してしまうと、不審なアプリが自分のスマートフォンに保存され、個人情報やクレジットカード情報などがばれてしまい、最悪の場合悪用されてしまう可能性があるためだ。
また、携帯電話やキャッシュカード番号をしつこく聞いてくるサイトもあるため、絶対入力しないよう注意しておこう。詐欺は日常に潜んでいるため、引っかからないよう焦らず慎重に対応する気持ちを大切にしたい。
引用元:ヤマト運輸の名前を装った「迷惑メール・電話」および「なりすましサイト」にご注意ください【ヤマトホールディングス株式会社】