近年、いわゆるZ世代を中心に「タイパ」が注目されている。タイパとはタイムパフォーマンスの略で、かけた時間に対する効果や満足度を表している。動画見放題サービスなど膨大な情報やコンテンツがあふれる現代で、いかに効率的に多くの情報を収集できるかという考え方が生まれたようだ。タイパという言葉自体はメディアでも取り上げられる機会が増えてきたが、世間にどれほど普及しているのだろうか。そこで今回は株式会社SheepDogが実施した、全国の15歳~59歳の男女を対象の「タイパに関するアンケート」を紹介しよう。
タイパを日常的に使っているのは、わずか7%ほど
「タイパという言葉を知っていますか」と質問すると、66.67%の人が「知らない」と回答した。タイパの意味を理解している人は3分の1ほどで、さらに日常的に使っているという人はわずか6.66%であった。動画を倍速で再生するといった時間効率を重視する人は増えてはいるものの、「タイパ」という言葉は世間にそれほど浸透しているわけではないようだ。
「タイパという言葉を知っていて日常的に使っている」人を年代別に見ると、20代が13.33%と最も高く、次いで10代と40代が10%という結果に。やはり若い世代の方が多少使用頻度は高いようだが、上の世代でもトレンドに敏感な人や効率重視な人はタイパという言葉を使用するようだ。「コスパ」と同様に使い勝手の良い単語なため、ビジネスで用いる人は多いのかもしれない。
20代男性以外は、タイパの認知率に大差はない模様
一方、タイパという言葉を「知らない」と回答した人に着目すると、最も高いのは40代男性。その数なんと8割で、40代男性のほとんどがタイパについて認知していない様子。10代、30代、50代の男女についても3分の2以上はタイパについて知らないようで、20代男性の認知率が最も高いが、それでも半数ほどしかいないことがわかった。
タイパは、Z世代を中心にこの2~3年で使われるようになったため、「タイパ」という単語を聞いたことがある人はいるかもしれないが、意味を正確に理解して、日常的に使っているという人は少数派のようだ。しかし現在は残業を良しとしない働き方が主流となり、コンテンツの選択肢が多く、その中から自分にとって有用な情報を取捨選択する必要があるため、仕事でもプライベートでもタイパを意識することが求められている。そのため「タイパ」という単語を知らなくとも、その概念を重視している人は多いのではないだろうか。
時間対効果を追求することで、より多くのコンテンツに触れることができ、効率的に満足感を味わえることができるようになるだろう。しかし無理に時間効率を意識して行動すると疲労が溜まりやすくなるため、ときにはタイパを考えずにゆったりとする時間も必要になる。仕事も私生活も、効率性を重視しながらも適度な休息を忘れないようにするべきだ。
出典元:【ストラテ(STRATE)】
※サムネイル画像(Image:Terang Bulan Gallery / Shutterstock.com)