【徹底ガイド】「東京ガスの電気」は東京電力よりお得?料金比較とメリット/デメリット

「東京ガスの電気」とは、東京ガスが供給している新電力サービス。東京ガスの利用者以外も契約できますが、ガスと電気をセットで契約すると割引があります。

電力自由化が導入されたいまも、なんとなく他のサービスと比較しないまま、大手電力会社を契約し続けている方もいるのではないでしょうか。今回は東京ガスの電気が東京電力の電気よりお得なのか、プランや料金、ガスとのセット割の概要や、ポイント付与、かけつけサービスなどを比較しながら解説します。

東京ガスの電気ってどんなサービス?関東エリアで人気急上昇中

「東京ガスの電気」は、2016年4月に電力自由化に合わせて供給を開始し、関東エリアに電力サービスを提供しています。

「東京ガスの電気」は、新電力販売量第1位で、顧客満足度も高い電力サービス。東京ガスと電気をセットにすると割引やポイントが付きます

(画像引用元:東京ガス公式サイト

「東京ガスの電気」の電気供給エリアは以下の通りです。

東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 茨城県 栃木県 群馬県 山梨県 静岡県(富士川以東)
※一部離島は除く

東京ガスの電気プラン:料金・特典

東京ガスの電気の一般家庭向け料金プランは、以下の3つがあります。

基本プラン:基本料金と3段階の単価で構成されたオーソドックスな従量電灯プラン。基本料金は東京電力スタンダードS/Lと同じですが、電力量料金が安くなっています。ガスと電気をセットにすると割引やポイントが付きます。契約電流が10~60アンペア、もしくは契約容量が6~50kVA未満が対象。

さすてな電気プラン:太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーが持つ環境的な価値を与えられた「非化石証書」を東京ガスが購入し、CO2排出量が実質ゼロの環境に配慮したプラン。東京電力スタンダードS/Lと同等の電気料金プラン。

オール電化向け料金プラン<時間帯別プラン>:オール電化住宅にお住まいの方におすすめのプラン。時間帯別に電力量料金が変わり、深夜の電力量料金が安くなるので、深夜の電気代を節約できます。契約容量が6~50kVA未満が対象。

基本プランの料金表は以下の通りです。

  単位 料金(税込)
基本料金(1カ月あたり) 契約電流 10A 1契約 295.24円
15A 1契約 442.86円
20A 1契約 590.48円
30A 1契約 885.72円
40A 1契約 1180.96円
50A 1契約 1476.20円
60A 1契約 1771.44円
契約容量 1kVA 295.24円
電力量料金 第1段階料金 120kWhまで 1kWh 19.78円
第2段階料金 120kWhを超え300kWhまで 1kWh 25.29円
第3段階料金 300kWhを超えたもの 1kWh 27.36円

※料金単価は2023年4月1日からの料金単価です。

東京ガスの電気の基本プランの電力量料金は、東京電力スタンダードS/Lより単価がすべての段階でお得なので、使用量にかかわらず電気料金が安くなるのが最大のメリットです

(画像引用元:東京ガス公式サイト

基本プラン:ガスとセットでおトクに

東京ガスの電気の基本プランは、基本料金は東京電力スタンダードS/Lと同じ。しかし、電力量料金が2〜5%安くなるよう設定されています。

加えて、東京ガスの都市ガスと電気を併せて契約し、使用場所と契約者が同じでガス料金と電気料金を合算して支払うといった条件を満たせば、更に料金が0.5%割引になる「ガス・電気セット割」が適用されます。

世帯人数ごとの平均月額電気代と、ガス・セット割が適用された場合の割引額のシミュレーションは以下のようになります。

  平均月額電気代※1 ガス・電気セット割による割引額※2
1人暮らし 6,808円 34円
2人暮らし 11,307円 56円
3人暮らし 13,157円 65円
4人暮らし 13,948円 69円

※1 2022年度総務省家計調査より
※2 0.5%の割引額は小数点以下切り捨てになります。

さすてな電気:再生可能エネルギーで環境貢献

さすてな電気は、東京ガスが提供する電気料金プランの一つで、環境に優しいということをテーマにしています。

さすてな電気は、LNG火力発電を主な電源としながらも、再生可能エネルギーの価値を表す「非化石証書」を購入することで、CO2排出量を実質ゼロを実現。 また、契約者一人につき一本の植林も行っています。 (画像引用元:東京ガス公式サイト)

さすてな電気は、東京電力のスタンダードS/Lと同等の料金で提供されています。2023年3月現在、東京電力から乗り換えても電気料金は安くなりませんが、CO2排出量実質ゼロで電気を利用できます。

さすてな電気の料金表は以下の通りです。

  単位 料金(税込)
基本料金(1カ月あたり) 契約電流 10A 1契約 295.24円
15A 1契約 442.86円
20A 1契約 590.48円
30A 1契約 885.72円
40A 1契約 1180.96円
50A 1契約 1476.20円
60A 1契約 1771.44円
契約容量 1kVA 295.24円
電力量料金 第1段階料金 120kWhまで 1kWh 19.91円
第2段階料金 120kWhを超え300kWhまで 1kWh 26.51円
第3段階料金 300kWh超えたもの 1kWh 30.60円

※料金単価は2023年4月1日からの料金単価です。

東京ガスVS東京電力:どっちが安くてお得?

東京ガスの電気と東京電力のどちらが電気料金が安くなるのでしょうか。

東京ガスの電力供給は2021年3月末時点で271.7万件で、新電力事業者の低圧分野シェアNO.1を獲得しています。一方、東京電力の電力供給は2020年度末時点で約2,700万件で、全国シェア約30%を占めています 。(ロゴは各社公式サイトより引用)

料金比較 :東京電力「スタンダードS」 VS 東京ガス「基本プラン」

東京電力「スタンダードS」 と 東京ガスの電気「基本プラン」は基本料金は同じですが、電力量料金が異なり、東京ガスの電気の方が安くなっています。

とくに300kWhを超えると1kWhあたり約3円も安くなるため、電力使用量が多い家庭だと安さを実感しやすいでしょう。

使用量 東京ガスの電気「基本プラン」 東京電力「スタンダードS」
~120kWhまで 19.78円 19.91円
121~300kWh 25.29円 26.49円
300kWh~ 27.36円 30.60円

ポイント比較:パッチョポイント VS くらしTEPCOポイント

東京ガスの電気を利用すると「パッチョポイント」、東京電力を利用すると「くらしTEPCOポイント」がもらえます。

「パッチョポイント」とは、myTOKYOGAS会員が利用することのできるポイントサービス。電気・出すの利用やキャンペーン参加でポイントが貯まります。「くらしTEPCOポイント」は、東京電力が運営するサービスで、くらしTEPCO webにログインすることで、月に1回、1契約について50ポイントが付与されます。なお、300ポイント以上貯まると提携のポイントサイトに交換できます。(ロゴは各社公式サイトより引用)

各ポイントサービスを比較すると、以下の通りです。

  ポイントサービス名 月にもらえるポイント数
東京ガス パッチョポイント 電気料金支払い1,000円につき15ポイント
東京電力 くらしTEPCOポイント くらしTEPCO web ログインで50p
(電気・ガス両方契約の場合は100p)

※両ポイントとも1ポイント=1円相当

東京ガスの電気は利用料金に応じてポイントがもらえますが、東京電力はもらえるポイントが固定されています。電力使用量が多い家庭だと東京ガスの電気の方がお得でしたが、2023年3月の電気計量分に対してのポイント付与をもって、東京ガスの電気の「電気料金連動ポイント」は終了となります。つまり、ポイント付与の点を重視すると、東京電力に軍配が上がります。

なお、東京ガスの「ガス料金連動ポイント」についてはサービスが継続します。

サービス比較:かけつけサービスなど

かけつけサービスとは、さまざまなトラブルに対して、電話1本で専門スタッフが24時間365日すばやく駆けつけて対応するサービスのこと。東京ガス、東京電力、両社ともかけつけサービスを提供しています。両社のサービスを比較すると以下のようになります。

  東京ガス 東京電力
サービス名 水とでんきの駆けつけサービス 生活駆けつけサービス
利用料金
(税込)
月額385円
(東京ガスのガス利用者向け)
月額330円
電気・ガスいずれかの契約で無料
サービス内容 水回り/電気設備の点検確認・応急処置 ・水回り/電気設備の点検確認や応急処置
・玄関等のカギトラブルへの対応
・窓ガラス破損への対応
作業費 電気設備:60分まで無料
水回り:30分まで無料
電気設備:60分まで無料
その他設備:90分まで無料
部品代 自己負担 2万円まで無料

東京ガスはかけつけサービス加入が有料となっていますが、東京電力は電気・ガスの契約者であれば無料。さらに東京電力の方がサービス内容が充実しています。また、東京ガスはガス契約が必要で、東京ガスの電気のみの契約者は加入できません。かけつけサービスを重視するなら、東京電力に軍配が上がります。

東京ガスに電気・ガスをまとめるのがおすすめの人とは?

電気代を確実に安くしたい人や、電気とガスの管理をひとまとめにしたい人には、「東京ガスの電気」がおすすめ。

先述したように、東京ガスの基本プランの方が、東京電力より電力量料金が安くなっているので、電気代は東京ガスの方がお得です。

一方、ガス料金については、実は東京ガスより東京電力の方が安くなっています。東京電力のとくとくガスプランだと、東京ガスの一般料金より約3%安くなります。

自炊をあまりせず、お風呂も外のジムでシャワーを浴びて済ましているなどガスの利用量が少ない場合は、電気料金の安さを重視した東京ガスの方が安くなるでしょう。

一方、床暖房設備があるなどガスの利用量が多いご家庭の場合は、ガス料金の安さを重視した東京電力の方が安くなるでしょう。ご自身の電気とガスの使用量でシミュレーションしてみてください。

東京ガスの電気のメリット・デメリット

東京ガスの電気のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット:
・東京電力より電気料金がお得になりやすい
・東京ガスとのセット割でより節約可能
・さすてな電気プランを選ぶと環境に配慮した電力が利用できる

デメリット:
・供給エリアが関東圏と山梨・静岡に限られている
・電気ガスセットは東京電力の電気ガスセットと比べてお得となる額が低い
・解約金やプラン変更の制限がある

東京ガスの電気は、料金や環境面などで魅力的なプランがありますが、居住エリアによっては供給がなく、契約内容や利用状況によっては東京電力の方が安くなる場合があります。

乗り換え方法や注意点は?申し込みから開始までの流れ

東京ガスの電気へ乗り換える場合、Webから必要事項を入力して申し込むだけでOKです。現在利用している電力会社への解約手続きなどは、東京ガスが行うので、ご自身で行う必要はありません。

東京ガスの「電気の手続き」ページから「他社から東京ガスの電気に切り替える」を選択し、以下の情報を入力します。

・現在契約中の電力会社
・現在契約中のガス会社
・名前
・生年月日
・電話番号
・メールアドレス
・使用場所住所
・手続き者について(本人か配偶者か)
・現在の電力会社のお客さま番号(ご契約番号)
・電気の供給地点特定番号(またはメーター計器番号)
・申し込む東京ガスの電気料金メニュー
・支払い情報

開始時期や注意点

需給開始日は、原則として希望日からの開始となりますが、申し込みから約2週間後以降となります。

注意点としては、電気メーターがスマートメーターでない場合には、スマートメーターへの取り換えが必要になります。スマートメーターへの取り換えは無料ですが、工事日程や時間帯は指定できません。また、乗り換え前に現在の電力会社との契約解除手続きをする必要はありませんが、解約金や違約金が発生する場合があります。

まとめ

電気料金を安くしたい場合、東京ガスの電気は電力量料金が安く、大手企業であり倒産リスクも低いことから基本的にはおすすめです。ただし、大手電力会社の規制料金(従量電灯B等)には燃料費調整に上限がありますが、東京ガスの電気料金には上限がありません。そのため、燃料価格が高騰している場合、東京ガスの電気料金の方が高くなる場合がありますので注意しましょう。

※サムネイル画像は(Image:「photoAC」より)

オトナライフ編集部
iPhone・Android・SNS・パソコン関連・キャッシュレス、QRコード決済など、さまざまな情報を独自の視点や切り口で発信するニュースサイト
X/Twitter:@otonalife
YouTube:OTONALIFE Ch

iPhone/Androidスマホやキャッシュレス決済、SNS、アプリに関する情報サイト[オトナライフ]

関連記事

TOPICS
ヘルス・ライフ最新記事

RANKINGランキング

6:00更新