賃貸アパートに住んでいる人は、分譲マンションとの違いを考えることなどあまりないだろう。しかし、賃貸アパートと分譲マンションでは建物の構造がまったく異なるので、快適性能には雲泥の差があるのだ。昔から「賃貸アパートと分譲マンションはどっちが得か?」というテーマが議論されているが、賃貸アパートと分譲マンションの快適性能の違いを知れば、自ずと答えは出てくるはずなのだ……。
鉄筋コンクリートは圧倒的に木造より快適!
昔から「賃貸アパートと分譲マンションはどっちが得か?」なんて話をよく聞く。賃貸アパートと分譲マンションの両方を扱う不動産情報誌には、大人の事情もあって、どちらも生涯かかる費用は同じという結論になってしまうが、これは本当だろうか? しかし、実際に分譲マンションに住んでいる筆者に言わせれば、議論の余地などなく圧倒的に分譲マンションのほうがお得なのである。
まず、安い2階建てのアパートは木造や軽量鉄骨造になっている。最近、施工ミスが発覚したレオパレスの物件などがこれに当たるが、壁が薄く遮熱性や遮音性などが低いのが特徴。つまり、夏は暑く冬は隙間風が入ってきて寒く、隣の部屋の音もよく聞こえるのだ。住居としては最低限の性能である。これに対し、3階建て以上の賃貸マンションは鉄筋コンクリート製になるため、木造・軽量鉄骨造の物件に比べると、かなり遮熱性や遮音性が高くなる。とくに鉄筋コンクリートでは隙間風が入ってこないので、冬の隙間風に悩まされることはないのである。
上から軽量鉄骨造アパート、賃貸用鉄筋コンクリート造マンション、分譲用鉄筋コンクリート造マンション。もし、生涯でかかる費用が同じなら、アナタはどれに住みたい?
賃貸マンションと分譲マンションでは、同じ鉄筋コンクリート製でも、内部に使われている床材や壁材、バス、トイレ、キッチンなどの快適性能がまるで異なる。たとえば、お風呂でも上写真のような差が出るのだ
費用が同じなら快適な分譲マンションがお得!
それでは、賃貸マンションと分譲マンションにはどのような違いがあるのだろうか? どちらも鉄筋コンクリート[RC](鉄骨鉄筋コンクリート造[SRC]もある)なので、性能は同じかと言えばそうではない。
賃貸用の物件は分譲と比べると、どうしてもサッシ、壁材、床材、トイレ、バスなど、あらゆる部分が低品質になる。賃貸マンションのオーナーなら初期投資額(物件の建築費)はできるだけ抑えたいのが本音だからだ。実際、目に見えない部分の品質を上げても、周囲の安い賃貸物件と比較されるので、その費用を家賃には反映しにくいという事情もあるだろう。
それに対し、分譲マンションは性能の良さをアピールすることで価値を高めることができる。分譲マンションでは遮音&遮熱性能の高い床材や壁材を使用していたり、二重サッシで遮音&遮熱性能を高めてある。さらに、お湯が冷めにくい魔法瓶浴槽や、生ごみを処理できるディスポーザーなど、賃貸マンションでは望めない快適設備が、分譲マンションには満載されている。もちろん、ゲストルームやジム、カラオケルームなどの共用設備も充実しているのだ。つまり、もし賃貸と分譲で生涯かかる費用が同じだと言うなら、より快適な分譲マンションに住んだほうが絶対にお得なのである。
分譲マンションでは二重サッシを採用している物件も多く、遮熱&遮音対策もバッチリだ。もちろん床材や壁材も、賃貸用物件よりグレードの高いものが使用されている
分譲マンションでは定番となってきたディスポーザー。生ごみをキッチンで処理できるのでとっても衛生的なのだ!