中古マンションを安く買ってリノベーションする若者が増えているという。確かに、中古マンションを安く買って自分好みにリノベーションすれば快適だろう。だが、築30年超のマンションの修繕積立金は驚くほど高い場合がある。せっかく物件を安く買っても修繕積立金が高くては意味がない。そこで今回は、中古マンション購入時に必ずチェックしたい修繕積立金について解説しよう。
中古マンションは修繕積立金に注意しよう!
新築マンションは高いので、お手頃価格の中古を狙っている人は多いだろう。だが、築30年を超えるような物件は、修繕積立金が驚くほど高い場合がある。せっかく安く物件を買っても、修繕積立金の負担を考えると、新築を買った方が良かったなんてことも……。中古マンションを買うときは、必ず修繕積立金をチェックしておきたい。
大規模修繕は、一般的なマンションでは10~15年ごとに実施される。物件によってかなり違いがあるが、おおむね1戸あたり50万円~100万円程度かかると言われている。仮に100戸のマンションで修繕費が1億円かかるとすると、1戸あたりの平均負担額は100万円程度となる。もし、12年目で第1回目を実施すれば、1戸あたりの修繕積立金の平均額は年8万3,333円(月平均6,944円)ということになるのだ。
ちなみに、第1回目の大規模修繕は外壁補修、屋上の防水、廊下や階段の修復程度で済むが、20~30年後に実際される第2回目の大規模修繕ではエレベーターや給排水管、立体駐車場など、第1回目では問題ない部分の修繕も行われるため、費用は1.5倍程度はかかる。さらに、第3回目になると2倍程度の費用が必要になるのだ。したがって、築30年超の中古マンションを購入するときは、修繕積立金がとんでもない金額になっている。
管理組合が機能して長期修繕計画がしっかり実施されないと、マンションが廃墟と化す可能性も!(写真はイメージです)
チェックすべきは長期修繕計画!
中古マンションを購入するとき、修繕積立金がいくらなのかをチェックするのも大切だが、もっと大切なのは「長期修繕計画が適切に見直されているか?」である。
マンションの管理組合がしっかり機能している場合は、長期修繕計画が適切に見直されており、それに備えた金額がちゃんと徴収されているが、管理組合が機能していないマンションでは将来大変なことになる。たとえば、長期修繕計画が過去一度も見直されていない物件では、修繕積立金が安くて修繕費用が不足してしまい、急に修繕積立金が大幅に値上げされたり、各戸ごとにまとまった金額を一括で請求される場合もあるのだ。
したがって、中古マンションを購入する場合は、現在の修繕積立金がいくらかだけでなく、管理組合が機能しており、しっかり長期修繕計画が適切に見直されているかを確認すべきである。