かつて、人気漫画が無料で読めるとして、広く普及していた海賊版サイト。当時から違法性は主張されていたが、ユーザーの意識が現在ほど高くなかったため利用してしまった人は少なくないだろう。今回はそのような海賊版サイトの利用についてのアンケート調査を紹介しよう。
「違法だから」「漫画家に還元してほしいから」といった声が多数
結果として「読んだことがない」と回答したのは77%であった。まずは、利用経験のない回答者の意見を見ると、「海賊版は違法だから」「道徳的にやってはいけないから」など、法律を破りたくないという倫理観から、海賊版サイトに手を出さない声が多く挙がった。
また、「漫画家や出版社に還元されてほしいから」「漫画家の利益を横取りしているから」といったクリエイターを尊重する意見も。漫画好きだからこそ作者に不利益になるようなことをしたくない人も多いようだ。
そのほか、最近の電子書籍アプリでは漫画が毎日1話無料で読めたり、最初の数巻が無料で読めたりなど、条件付きではあるが漫画を無料で読めるサービスも増えたので、ネットウイルスに感染するリスクを背負ってまで、海賊版サイトを活用する人は少ないのかもしれない。
海賊版サイトの利用経験がある23%は「違法だと知らなかった」と回答
多くの人が海賊版サイトを利用しないと回答した一方で、2割以上の人が海賊版サイトを利用経験があると答えた。その理由を尋ねると「違法だと知らなかった」という声が多く挙がった。以前から違法の海賊版サイトは存在していたが、現在ほど消費者の著作権に対する意識が高くなく、規制もゆるかったことが大きな要因の一つのようだ。
また、学生などの若者は違法性の有無をわからない人が多いだけでなく、経済的に余裕がないことも起因して「人気漫画を無料で読める便利なサイト」という甘言に釣られてしまった人が多いと考えられる。わざわざ、買いに行かずともネット上で気軽に読めるという手軽さも、海賊版サイトユーザーの増加につながっているだろう。
海賊版サイトはインターネット黎明期から存在し、それだけ規制を厳しくしても生まれてしまうため、消費者側が意識して利用しないようにするしかない。海賊版サイトの利用は法律に違反しているのはもちろんだが、漫画家に利益が入らなくなり、作者が作品を描けなくなってしまうことが消費者にとって最大のデメリットだといえる。
漫画の続きが気になるならば、紙媒体で購入するか正規の公式サイトで読むようにすべきだろう。
出典元:【いーぶっかー】
※サムネイル画像(Image:Dutchmen Photography / Shutterstock.com)