2023年6月21日、NHKは受信料を2023年10月1日より1割ほど値下げすると発表しました。それと同時に、学生の受信料免除の範囲が拡大されています。それにしてもNHKの受信料体系は複雑で、実際にどのくらい安くなるのかよく分かりませんよね。そこで今回はNHKの受信料の基本と、10月からどう変わるのか? できるだけ安くするにはどうすればいいのか? について詳しく解説しましょう。
そもそもNHKの受信料の仕組みってどうなってる?
何かと話題になるNHKの受信料ですが、なんと2023年10月より1割ほど値下げされます。でも、その話をする前に現在のNHKの受信料がどうなっているのか確認しておきましょう。
まず、NHKの受信料はテレビチューナーを内蔵する機器を設置した月の翌々月の末日までに申し込みを行う必要があります。
受信料は「地上契約」と「衛星契約」の2つに分かれており、衛星放送を受信できる場合は、地上契約ではなく衛星契約が適用されます。
また、契約は1世帯ごとの契約となっており、自宅にテレビが複数台あっても受信料は同じです。ちなみに、テレビチューナー搭載の携帯電話や車のカーナビも同様の扱いになっています。
それでは、現行の受信料を確認してみましょう。まず、NHKの料金は2カ月を単位としており、地上契約の「2カ月払」は2,450円、衛星契約の「2カ月払」は4,340円です。
「6カ月前払」の場合は約5%、「12カ月前払」は7.61%の割引きになります(いずれも口座振替・クレジットカード払・沖縄県以外の場合)。
次に、払込方法でも料金は異なり、「口座振替・クレジットカード払」の方が継続振込(払込用紙での支払い)より安く設定されています。
つまり、NHKの受信料は「12カ月前払」で「口座振替・クレジットカード払」にするのがもっとも安くなるというわけです。
もちろん、「クレジットカード払」の場合は、クレカによってポイント還元もありますので、さらにお得になるでしょう。
ちなみに、NHKの受信料は沖縄県とそれ以外の都道府県とで料金が異なり、沖縄県のほうが12%程度安く設定されています。詳しくはNHK公式サイトの「放送受信料のご案内」で確認できます。
●NHK「放送受信料のご案内」は→こちら
■NHKの地上契約受信料
口座振替 クレカ等継続払 |
継続振込等 払込用紙での支払い |
|
2カ月払額 | 2,450円 (月1,225円) |
2,550円 (月1,275円) |
6カ月前払額 | 7,015円 (月1,169円) |
7,300円 (月1,217円) |
12カ月前払額 | 1万3,650円 (月1,138円) |
1万4,205円 (月1,184円) |
※沖縄県以外
NHKの料金は2カ月が基本単位です。6カ月か12カ月の前払いにすると割引きされるほか、口座振替・クレカ払いなら払込用紙での支払いより安くなります(表はNHKの公式サイトを元に筆者が作成)
■NHKの衛星契約受信料
口座振替 クレカ等継続払 |
継続振込等 払込用紙での支払い |
|
2カ月払額 | 4,340円 (月2,170円) |
4,440円 (月2,220円) |
6カ月前払額 | 1万2,430円 (月2,072円) |
1万2,715円 (月2,119円) |
12カ月前払額 | 2万4,185円 (月2,015円) |
2万4,740円 (月2,062円) |
※沖縄県以外
こちらは衛星契約の料金です。地上契約より高くなりますが、基本的な料金システムは同じです(表はNHKの公式サイトを元に筆者が作成)
23年10月以降の新料金はどうなる?
NHKの受信料は、2023年10月から1割ほど値下げされるとともに、これまで払込方法で分かれていた料金が統一されることになりました。
●NHK「受信料の1割値下げ」は→こちら
■NHKの新受信料(23年10月以降)
地上契約 | 衛星契約 | |
月額 | 1,100円 | 1,950円 |
2カ月払額 | 2,200円 (月1,100円) |
3,900円 (月1,950円) |
6カ月前払額 | 6,309円 (月1,051.5円) |
1万1,186円 (月約1,864.3円) |
12カ月前払額 | 1万2,276円 (月1,023円) |
2万1,765円 (月約1,813.7円) |
※支払い方法により異なる受信料を一本化
※沖縄県以外
こちらが23年10月からの新受信料です。地上契約の2カ月払額は2,450円→2,200円、衛星契約は4,340円→3,900円と、1割ほど値下げされました(表はNHKの公式サイトを元に筆者が作成)
■NHKの新受信料(沖縄県・23年10月以降)
地上契約 | 衛星契約 | |
月額 | 965円 | 1,815円 |
2カ月払額 | 1,930円 (月965円) |
3,630円 (月1,815円) |
6カ月前払額 | 5,539円 (月約923.1円) |
1万416円 (月1,736円) |
12カ月前払額 | 1万778円 (月約898.1円) |
2万267円 (月約1,688.9円) |
※支払い方法により異なる受信料を一本化
こちらは沖縄県の新料金です。元々ほかの都道府県より安かった受信料がさらに安くなっています(表はNHKの公式サイトを元に筆者が作成)
23年10月からの新受信料では、支払い方法による料金格差がなくなったので、支払い方法に関係なく「12カ月前払」がもっとも得になりますが、やはりクレカ払いならポイント還元分だけ得することになるでしょう。
ちなみに、ケーブルテレビ加入者には「団体一括払い」の割引もあります。マンションや町内会など、衛星契約者が15人以上いる場合は、1件あたり月額200円割引きになります。年間2,400円も安くなるのは意外と大きいですよね!
●NHK「ケーブルテレビ加入者への受信料の割引について知りたい」は→こちら
NHKの受信料支払いで「6カ月前払」と「12カ月前払」を選ぶと損してしまうの?
23年10月からNHKの受信料が1割値下げされますが、それより前に受信契約を結んでも「6カ月前払」で約5%、「12カ月前払」で7.61%しか割引きされないので、結局損してしまいそうですね。
でも、そのような心配はいりません。NHKでは2023年10月以降分を値下げ前の受信料額で前払いした場合には、2023年10月以降の請求時に精算されることになっています。
つまり、今、前払いで払っても、23年10月以降の新しい受信料との差額が次期の受信料できちんと精算されるようになっているのです。
ほかにも割引きや免除される制度が用意されている
NHKではほかにも割引きや免除制度が用意されています。
まず「家族割引」は同一生計である複数の方がそれぞれ放送受信契約を締結している場合、また同一の放送受信契約者が複数の放送受信契約を締結している場合に、受信料額の半額を割り引く制度です。
●NHK「家族割引のお手続き」は→こちら
【家族割引の対象となる場合】
・同一生計で親元から離れて暮らす学生の方
・同一生計で自宅から離れて暮らす単身赴任等の方
・別荘・別宅等で自宅と別に受信契約を締結している方
また、今回の受信料改定では受信料免除基準が一部変更され、学生への免除が拡大されています。
その内容は、現在、受信料を全額免除としている「奨学金を受給している学生」等に加え、経済的に自立していないと考えられる「社会保険制度において被扶養者となっている学生」や、「被扶養者となっている学生と同等の収入水準にある学生」についても、23年10月から全額免除の対象になるというものです。
■全額免除となる対象学生の条件(現行)
・奨学金受給対象の学生
・授業料免除対象の学生
・市町村民税非課税世帯の学生
・公的扶助受給世帯の学生
■新たに追加される対象の条件(23年10月以降)
・年間収入が一定額(120万円)以下の学生
・国民年金保険料の学生納付特例対象の学生
・国民健康保険の修学特例対象の学生
◆NHK「学生の免除を拡大」は→こちら
NHKではほかにも多くの免除の制度があり、生活保護者、身体障害者、知的障害者、精神障害者、社会福祉施設等入所者などが半額や全額免除の対象となっています。
●NHK「放送受信料の免除について」は→こちら
まとめ
いかがでしょうか? NHKの受信料が23年10月より1割も下がることになりました。また、学生の免除条件も拡大されています。
6カ月、12カ月の前払いを行ったり、支払い方法をクレカにしたり、ケーブルテレビの場合は月額200円割引きになるほか、家族割引や学生免除など、さまざまな割引きや免除制度もありますので、これを機会にぜひNHKのお得な受信料の支払い方法をチェックしてみてください。
※サムネイル画像(Image:yu_photo / Shutterstock.com)