健康保険証や公金受取口座の情報の誤登録が発覚し、取り沙汰されているマイナンバーカード。不信感から実際に自主返納する人や、健康保険証や公金受取口座のひもづけをキャンセルする人が続出しているという。それでは実際に、どれほどの影響が生じているのだろうか。
マイナンバーカードの6月の廃止枚数が2万枚
デジタル庁が公開している政策ダッシュボード(ベータ版)によると、7月2日時点でのマイナンバーカードの累計申請件数は97,373,895件、累計交付数は93,094,079件で、人口当たりの申請件数率は77.3%となっている。2023年2月28日を期限としていた「マイナポイント第2弾」キャンペーンの影響で、3月に申請件数は大きく増加。しかし、以後は申請件数が低下傾向にある。
また、総務省は7月6日にマイナンバーカードの廃止枚数が6月だけで約2万枚、2016年からの累計では約47万枚にまで上ることを発表している。ここでの「廃止」とは、自主返納だけでなく、手続きをしなかったために失効したケースも含まれている。総務省は理由を発表していないが、やはり健康保険証情報の誤登録などの問題発覚が影響しているだろう。
健康保険証と公金受取口座の申請件数も大きく減少
廃止枚数の多さが話題となっているが、健康保険証や公金受取口座の登録件数の減少にも目を向けたい。諸問題の発覚により、上記登録件数の減少は予想できるかもしれないが、注目すべきは、その減少の割合が大きいことだ。
健康保険証の先週の申請合計件数は、323,361件から286,251件と37,110件も減少している。公金受取口座についても、申請合計件数が245,613件から224,123件と21,490件の減少が確認できる。それぞれ、わずか1週間で約1割も申請件数が減少しており、今後の対応次第ではさらに申請件数が減る可能性もある。
マイナンバーカードの問題発覚による市民の不信感は大きく、信頼を取り戻すためには適切な対応と時間が必要になるだろう。しかし、現状の課題さえ解決すれば、健康保険証や公金受取口座がひもづいたマイナンバーカードの利便性は高いため、政府の対策と信頼回復に期待したい。
出典元:【デジタル庁】
※サムネイル画像は(Image:「デジタル庁」公式サイトより引用)