政府が積極的に取得や活用を呼びかけている“マイナンバーカード”。顔写真付きの身分証明書や、一部の行政手続きにも利用できるため非常に便利ですが、どれほどの人が所有しているのでしょうか? また、使用用途なども気になるところです。そこで今回は、2023年6月22日~6月26日の期間で実施された「2023年マイナンバーカードに関する実態調査」の結果を紹介していきましょう。
73.8%がマイナンバーカードを所有者! その内の約2割は「一切利用していない」
MMDLabo株式会社が運営するMMD研究所では、18歳~69歳の男女5,000人を対象に、アンケート調査を実施。最初に「マイナンバーカードの所有」について聞いたところ、最も多かったのは73.8%で「マイナンバーカードを持っている」という回答でした。
7割以上の人たちが所有していることがわかりましたが、所有していない人の中には「申請も行っていない(13.4%)」という回答も。中には「マイナンバーカードを持っていたが返納した(1.1%)」との回答もあがっているため、全国民が所有するまでの道のりは、まだ遠いように思えます。
続いて、同調査では“マイナンバーカードを所有する364人”に、「マイナンバーカードの使用用途」を質問。その結果「マイナポイント申請」が53.0%と最も多く、ついで「本人確認書類(身分証明書)として使用(26.1%)」、「住民票、印鑑証明書などの各種証明書をコンビニエンスストアで取得(25.3%)」といった回答が高い割合を占めました。
マイナンバーカードは“転出届のオンライン手続き”や、“金融機関の口座開設など”にも活用できるものの、多くの人は買い物で利用できる「マイナポイント」の取得や、身分を証明するために使用していることが判明。また「一切利用していない」との回答も24.5%にのぼるため、“マイナンバーカードの活用方法”を熟知している人は、そこまで多くないのかもしれません。
『マイナ保険証』一体化は反対派多数! マイナンバーのトラブルが懸念?
マイナンバーカードの普及を目的として、以前政府は“2024年の秋に現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードへ一体化させる”と発表。この「マイナ保険証」一体化に関して、ネット上では賛否両論の声が上がっていますが、実際に、賛成と反対の割合はどちらの方が多いのでしょうか。
同調査では「『マイナ保険証』一体化について」尋ねたところ、「賛成でも反対でもない」が34.0%で最も多い結果に。そして、反対派(「反対」「やや反対」と回答した人)は41.2%で、賛成派(「賛成」「やや賛成」と回答した人)は24.8%でした。反対票の方が多いことからも、「マイナ保険証」一体化が実現した場合、いろいろと問題が起きそうです。
では、マイナンバーをきっかけに、何かしらのトラブルが起きた人はどのくらいいるのでしょうか。調査結果を見ると「トラブルは経験したことがない」との回答が89.3%で大半を占めましたが、一部の人たちは「トラブルを経験したことがある(6.6%)」と回答。
そこで、実際に経験したトラブルを聞いたところ、「機器のトラブル(読み取れないなど)」「該当者なしと表示された」「別人の情報がひも付けられていた、他の人の記録が閲覧可能になっていた」という内容が挙げられていました。
現に、最近では“健康保険証や公金受取口座情報の誤登録”がニュースで取り上げられていることもあり、個人情報の漏えいや、不正利用などが懸念されています。「マイナ保険証」一体化への反対は、こうした不安要素も大きくかかわっているのかもしれません。
マイナンバーカードを安心して利用できるよう、今後の政府の対策に期待したいところです。
出典元:【MMD研究所】
※サムネイル画像は(Image:「photoAC」より)