早くも猛暑日を記録した日本列島。エアコンを利用して熱中症を防ぎつつ、快適な暮らしを送りたいものの、「チャリンチャリン」と電気代が増していく音が頭の中で鳴り響くのは、筆者だけではないはずだ。家計が厳しいなかで6月から大手電力会社が電気料金の値上げを敢行し、少しでも電気代を節約しようと工夫する家庭は多い。ただ、誤った節電方法により、むしろ家計にじわじわとダメージを負わせているケースもあるようだ。
「弱風量」「こまめに電源OFF」は節電効果なし? エアコンの仕組みを知れば節電方法が見えてくる?
7月13日、空調機器メーカー大手のダイキン工業が「エアコンの節電に関する実態調査」の結果を発表した。全国527名を対象にエアコンの節電状況や節電方法の認知度についてリサーチした内容は、夏本番に向けた多くの人々の参考になりそうだ。
同社が今回の調査結果から導き出したのは『約6割(59.2%)の人がエアコンの節電方法について、なんらかの誤解をしている』という現状だ。「誤解のある節電方法ランキング」において26.5%で第1位になったのは「風量はできるだけ『弱』を使う」となった。
一見、エアコンの負担が少なくすることで節電にもつながりそうだが、同社の見解では風量が弱いと、室内が涼しくなるまでに時間がかかる分、消費電力量が増加する場合があるという。また、「こまめにスイッチを切る」も照明などの電化製品と同様に無駄な電力を抑えているように思えるが、エアコンにおいては消費電力がかかる誤った節電方法となる。
世に浸透する節電方法と、正しい節電方法に認識のギャップが生まれている背景には、「エアコンの仕組み」について世間が正しく理解していないことがある。エアコンとは部屋を冷たい風で涼しくするものと思われがちだが、正しくは「室内の暖かい空気から集めた熱を屋外に追い出す」ことで部屋を涼しくしている。その仕組みの中心には熱交換器や冷媒、圧縮機などの要素が関わり合い、その動作に電力が必要となる。
そのシステムを知れば、風量を弱にして時間をかけて部屋を涼しくすることは長時間の動作により電力がかかる、こまめに電源を切ることはシステムを一から起動して動作させる必要があり電力がかかる、というように、今まで行ってきた節電方法があやまっていると、おおよそ納得できるはずだ。
電気料金高騰でエアコン控えの傾向も……適切な節電と使用で快適な夏を
サーキュレーターとの併用や、定期的な室内機の掃除など、節約効果のある方法はいろいろとある。しかし、節電効果以上に電気料金の値上げは家計の大きく負担になっているようだ。「電気代高騰により、エアコンの使用自体を控えようと思いますか」の問いに対し、71.1%が「とても思う」「やや思う」と回答した。空調機器を使用する夏や冬はただでさえ電気代が高くなりがちで、少しでも節電したいのは理解できるが、熱中症など体調に支障が出てしまうのは最優先で避けたいところ。
だからこそ節電意識をしっかりともちながらも、エアコンについて正しく理解し、財布と相談して、エアコンを適切に使って夏を乗り越えたい。
出典元:【ダイキン工業株式会社/PR TIMES】