紛失したスマホ捜索時やパートナーの居場所確認用に用いられてきた「位置情報共有アプリ」。登録スマホの位置を共有するというクローズドな機能特徴から、緊急捜索用、監視用など、利用していることを公言しにくい印象がある。しかし、若年層を中心に位置情報共有アプリの利用が一般化している。
家族やパートナーだけでなく、友人間でも位置情報を共有しているようだ。「友人と位置情報を共有して、どうするの?」と疑問を抱く人もいるだろう。その実態に迫る調査結果が発表された。
待ち合わせ、暇なとき……、10代の7割が位置情報共有アプリを利用
7月20日、ナイルが10代の男女2,176人を対象にした「位置情報共有アプリの利用状況に関するアンケート調査」の結果を発表した。同社が運営するスマートフォンユーザー向けアプリ情報メディアを介した調査結果のため、10代のなかでもアプリへの感度の高い層の利用実態を明らかにする内容となっている。
「位置情報共有アプリの利用状況」の項目では、「現在利用している」と回答したのは69.9%と大半を占める結果となった。残りは、位置情報共有アプリを使用していないことになるが、若者を中心に人気を集めていた位置情報共有アプリ「Zenly(ゼンリー)」が2023年2月にサービス終了した影響で、代替サービスを利用することなく、現在にいたっている層もいるはずだ。
では、利用中の10代はどのようなアプリを選んでいるのだろうか。第1位は、Zenlyと同様の機能をもつアプリとして支持される「whoo(フー)」。防犯・監視といったイメージがつきまとう位置情報共有アプリだが、同アプリは友人とより仲良くなれるツールとして打ち出し、2022年12月のリリースから3カ月で1,000万ダウンロードを記録した。ついで、「Google マップ」が第2位に入った。
気になる位置情報を共有するシーンだが、最も利用されるのは「相手と待ち合わせしている時」となった。電話よりもピンポイントで把握できる、機能特性を活かした効率を重視する世代らしい使途だ。第2位の「特定の相手の現在地を確認したい時」は、従来の利用方法と通じる部分があるが、第3位の「暇な時」はカルチャーショックともいえる使い方ではないか。
親子利用は4割弱、干渉をきらう年頃だから仕方がない?
10代という年齢を考えると、防犯のために親子で利用することもあるだろう。「親の位置情報共有アプリ利用状況」で「利用中」と答えたのは38.8%にとどまった。10代の利用実態を解明してわかったのは、位置情報共有アプリはあくまで「友人用ツール」であることだ。
今回の調査では親の心情をリサーチしていないだけに定かではないが、親として防犯のために一緒に使いたいのではないか。なにかと物騒な時代なだけに、今回の調査結果が位置情報共有アプリの使途を広げる、きっかけになることを祈りたい。
出典元:【Appliv】