「ふるさと納税」は一時のムーブメントから脱して、人々の暮らしに定着した感がある。生まれた自治体だけでなく、応援したいという理由でも寄付できることから、各自治体も返礼品に力を入れている。所得税の還付や住民税の控除などのメリットがあり、人気があるのも理解できるが、ここまで関心が集まるのはそれ以上の恩恵がありそうだ。それは返礼品なのか、それともほかにあるのか。ふるさと納税経験者へのアンケート調査から、得られるメリットについて探っていく。
ふるさと納税の楽しみは「特産品との出会い」気分は小旅行?
国内初のふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を開設したトラストバンクは7月24日、「ふるさと納税体験に関する調査 2023」の結果を発表した。ふるさと納税を利用した経験のある1,074名を対象にした全国規模の調査結果となる。
回答者のうち、ふるさと納税をここ1~3年ではじめた層は半数以上を占める。同社はコロナ禍を背景に、ふるさと納税をはじめた人が多いと分析している。コロナ禍の自粛生活のなかで、旅行や外出の欲求が高まった人も多いのではないか。そうした市民心理に、ふるさと納税が応えていることがわかる調査結果がある。
「お礼の品を選ぶ際、楽しいと思うのはどのようなときですか?」の設問で、最も多く回答数を集めたのは「知らなかった特産品に出会う」で、ついで「有名な名産品を見つける」だった。旅行の楽しみといえば、旅行先のグルメや工芸品などに触れることだ。その土地を訪れて楽しむことに意義があるのはごもっともだが、コロナ禍はそうはいかない。なかには、コロナ禍以前に移動が困難で泣く泣く旅行を諦める人もいるだろう。そのような人にとって返礼品として特産品を受け取れるのは、自宅にいながら旅行気分を味わえるという点で大きなメリットだろう。
ふるさと納税=推し活? 利用者の4割が寄付先のファンになった経験あり
返礼品という“モノ”以外にも、地域との関係性を築くという“コト”も、ふるさと納税の価値だと言える。同調査ではふるさと納税を通じた経験として、「特定の地域のファンになった」経験を問うている。その結果、40.9%が「(ファンになった経験が)ある」と回答し、ふるさと納税が地域との絆を育むきっかけになっていることがわかる。
もうすぐ8月、長期の夏季休暇をとる人も多いだろう。久しぶりの旅行としてふるさと納税の寄付先に訪れてみる、というのもふるさと納税を経験した人ならではの楽しみ方ではないか。ふるさと納税は、現代社会で忘れ去られつつある絆のあたたかみを再認識させている。
出典元:【株式会社トラストバンク/PR TIMES】
参照元:【ふるさとチョイス】
※サムネイル画像は(Image:「ふるさとチョイス」公式サイトより引用)※画像は一部編集部で加工しています