IT黎明期からインターネットや、携帯電話に慣れ親しんできた世代にとって、情報を調べる際に活用するのはインターネットだろう。企業や情報サイトにアクセスしたり、近年ではスマホアプリを活用することで、効率的に情報を獲得しているはずだ。しかし、現代の若者の総称である「Z世代(1990年半ば〜2010年代に誕生した世代)」は、それらと一線を画す方法で情報を得ている。それが「SNS」だ。スピーディーなサイクルで移ろう流行を的確にキャッチするだけでなく、飲食店や映えスポットにもSNSを使っている。そして、そのSNS活用の波は「住まい検索」にも及んでいるようだ。
住まい探しの主流は「SNS」に? Z世代のニーズに不動産会社も注目
不動産業界向け垂直統合SaaS「いえらぶCLOUD」を提供するいえらぶは7月28日、「住まい探しにおけるポータルサイト・SNSの利用状況に関する調査」の結果を発表した。Z世代のエンドユーザー1,738人に加えて不動産会社479人にも調査した、ニーズと市場現状の両面を把握できる結果となっている。
「今後住まい探しで使いたい方法」として、Z世代から最も期待されているのは「SNS」だ。従来の住まい探しといえば、不動産会社がCMで紹介しているようなスマホアプリやポータルサイトが一般的だが、これらは同調査項目では2位となっている。不動産情報誌・フリーペーパーといったアナログな紙媒体から、ポータルサイトやアプリなどのデジタルツール、そして、SNSという変遷を辿る可能性が浮上したわけだが、SNSで住まい探しを行うことに、ぴんとこない人もいるはずだ。
Instagramを例に説明する。不動産会社は自社Instagramアカウントに物件情報を投稿し、物件を探すユーザーが閲覧するわけだが、特長となるのが短尺動画「リール」である。実際の物件を、不動産会社スタッフが紹介するリール動画には、物件の雰囲気や間取りの全容が映し出されており、まるで、内見しているような感覚になる。再生速度を速くしたリール動画は早送りしているような内容となり、数十秒で物件の印象を把握できるため効率も良い。タイパなど効率性を重視する、Z世代に支持されるのも納得である。
新たな潮流に不動産会社も目をつけており、今後SNSの活用を目指す会社は増えるはずだ。ただ、実際に活用するとなると“ある”ハードルが立ちはだかるようだ。
SNSを駆使する不動産会社は少数派。今後の展望はSNSに長けたスタッフ次第?
不動産市場にSNSニーズがあることはわかったが、SNSを運用している不動産会社は35%にも満たない。その原因は、SNS運用を担当できる社員がいないことが大きく関係している。不動産業界は人材不足に加えて、従事者の高齢化が課題となっており、上の世代ゆえに新ツールのSNS活用には消極的となり、または、SNSを活用する意欲はあっても、人材不在という事態に陥っている。
SNSを活用した情報発信は、Z世代の住まい探しに大いに役立っている、という調査結果もあるだけに、不動産情報ツールの転換点を迎えるなか、不動産会社には早急な適応が求められる。
出典元:【いえらぶ/PR TIMES】
参照元:【インスタラボ】