全国的に普及が進むマイナンバーカード。しかし、情報流出などの数々のトラブルにより、政府の対応を不信に感じる人も少なくないだろう。それは社会人だけでなく、若者も意識している問題のようだ。そこで、今回は18歳前後の若者をターゲットとしたマイナンバーカードの調査を紹介しよう。
マイナンバーカードの取得率は78.5%
日本財団は17歳~19歳の男女1,000名を対象に、マイナンバーカードに関する「18歳意識調査」を実施した。日本の行政手続きのデジタル化について質問すると、63.8%が「進めるべき」と回答。過半数がデジタル技術によるスムーズな手続きを望んでいるようだ。ただ、デジタル化による情報流出などを懸念してか、現状維持を望む声も16.6%と少なくない点も気になるところだ。
マイナンバーカードの取得状況については、全体の所持率(交付申請中を含む)は78.5%と、8割近くを占めた。まだ申請していないが、「近いうちに取得したい」「いつかは取得したい」と考えている人も計8.0%おり、約9割の人がマイナンバーカードにメリットや必要性を感じていることがわかった。
6割近くが、政府の対応を「不適切」だと回答
それでは、18歳前後の男女はマイナンバーカードのどのような点に魅力を感じたのだろうか。マイナンバーカードの取得理由を尋ねたところ、最も多かったのは「マイナポイントがもらえるから」。2023年2月末までにカードを申請した方に最大2万円分のポイントが付与されるキャンペーンが実施されており、当時は年代を問わず多くの人がポイント目当てにマイナンバーカードの交付申請を行っていた。また、「身分証明書として利用できるから」という声も多く、とくに運転免許証を持っていない人にとっては、身分証明として重宝しているのだろう。
最後に、日本政府への対応について聞くと、「適切である」「どちらかといえば適切である」という回答は全体で18.1%と、そこまで現対応を支持する人は伸びなかった。一方、不適切だと感じている人は57.0%にも上り、保険証や公金受取口座に別人の情報が登録されていた問題をはじめ、さまざまなトラブルが生じていることから、政府の対応に不安を覚える人が多いのかもしれない。
調査対象者の多くはマイナンバーカードを申請しているものの、政府の対応については不信感を抱いていることがわかった。若者からの信頼回復のためにも、政府には情報管理を徹底し、マイナンバーカードの利便性と安全性を証明してもらいたいものだ。
出典元:【日本財団】
出典元:【公益財団法人 日本財団/PR TIMES】
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