2023年10月1日から、日本で初となるステマの法規制が開始される。広告や宣伝であることを隠し、第三者の立場を装って口コミやサービスを宣伝するステマ。これに関し、オリジンがインターネット上での宣伝がステマだとわかった時に関する意識調査を行ったところ、ステマとわかったら、その広告主の商品購入を控える割合は63.2%にのぼることがわかった。
日本初のステマの法規制が2023年10月1日より開始
2023年10月1日より、日本では初となるステマの法規制が開始される。広告や宣伝であることを隠し、第三者の立場を装って口コミやサービスを宣伝するステルスマーケティング、通称ステマ。有名人などが、実際に自分が使用して消費者にすすめる分には構わないのだが、広告料をもらっているのに宣伝ではないように消費者にすすめるような行為はステマとされる。
過去には、ウォルトディズニー・ジャパンが映画「アナ雪2」の感想漫画を7人の漫画家に依頼。同じタイミングでPR表記なしにTwitter(現 X)にその漫画が挙げられたことからステマであることを指摘され、報酬が支払われた上でのマーケティング施策であったことが発覚した、などの事例がある。10月1日以降は、上記のような行為は違法となるので注意が必要だ。また、施行前に掲載されたものでも規制対象となる。
ステマとわかると、そのメーカーから購入を控える人は63.2%にのぼる
ウェブ広告の運用代行などを行う(株)オリジンが、「インターネット上での宣伝がステマだと分かった時に関する意識調査」を行った。それによると、ステマだとわかったら購入を控えるとした人は63.2%で、商品紹介主にあたるWEBサイトやインフルエンサーがステマだとわかったら、それらが紹介する商品購入は控えるとした人は68.0%にのぼった。
また、ネット上でオススメ商品として紹介されていたものが「広告(PR)」と表記されていたら、64.0%が購入を控えると答えている。この結果からわかるように、広告であれば購入しないという人が多いため、今まではステマが横行してしまっていたのだろう。だが、ステマだとわかると消費者は離れていくし、今後は法に触れることにもなるのでリスクが大きいだけとなりそうだ。
ネットでの買い物が当たり前になっている昨今、消費者のものの選び方は上手になってきているのだろう。広告でも、消費者やWEBサイト次第では購入を検討すると答えた人は36.0%おり、「実際に商品を使った上での紹介である」ことや、「商品紹介が丁寧にされている」ことなどを重視して商品を選択しているようだ。購入の際に重視するポイントが、「フォロワーが多いインフルエンサ―、普段から目にするWEBサイトの紹介である」とした人は5.4%と少数なのも、見極めている消費者が多いことの裏返しなのではないか。
※サムネイル画像(Image:Primakov / Shutterstock.com)