「カーシェア」は1990年代にヨーロッパではじまったサービスで、1台の車をシェアすることで、CO2排出を抑制できるとともに、経済的な負担も減らせるとして、日本でも次第に広まっていきました。今ではいくつもの企業がサービスを提供していますが、最も利用されているのはどの企業のサービスなのでしょうか。ICT市場コンサルティングのMM総研が、東京都・大阪府・愛知県に住む15~79歳の男女1万7809人を対象に、アンケート調査を実施。カーシェアの利用実態をまとめていたので、結果を見ていきましょう。
3都府県すべてで「タイムズカー」が1位に!
まずは、カーシェアを利用したことがあると回答した人に対し、“どのサービスを利用したのか”を調査。すると、3都府県すべてでタイムズモビリティの「タイムズカー」がトップにあがりました。続いて、オリックス自動車の「オリックスカーシェア」が3都府県すべてで2位、3位は東京と大阪ではトヨタ自動車の「TOYOTA SHARE」、愛知では名鉄協商の「カリテコ」という結果になっています。結果のグラフを見ても、「タイムズカー」が圧倒的な大差をつけているのがわかります。
なお、同じ対象者へ行なわれた「モビリティサービスに関する調査」では、カーシェアの認知率は58.4%、「利用したことがある」と答えた人は6.4%という結果に。認知はしているものの、利用したことがないという人の方が圧倒的に多いようです。
利便性や費用の面でメリットを感じる人多数!?
カーシェアを利用したきっかけについて調べると、最も多かったのは「レンタカーよりも安いと思ったから」で35.1%でした。続いて、2位は「短時間でも利用できるから」で33.1%、3位は「24時間365日いつでも利用できるから」で31.3%、4位は「出かけた先や旅行先など、普段自分がいる場所以外でも使えるから」で29.8%と、2位以下には利便性を重視する声が多くあがりました。
そのほか、7位の「自動車保険や税金など、自家用車にかかる維持費を気にしなくていいから」(27.4%)、8位の「自家用車は高くて買えない、もしくは買う予定がないが車が必要だから」(23.8%)など、費用の面でメリットを感じている人も多く見られました。
日常使いよりも休日や旅行先での利用が多い!
“カーシェアの利用シーン”で最も多かったのは、「休日に出かける際の移動時」の36.7%、2位は「旅行先や観光先での移動時」の34.4%で、多くの人が日常使いというよりも、休日や旅行などの特別なシーンで利用しているという印象を受けます。
利用シーンに関する結果は“利用頻度”の調査結果と結びついているようです。“カーシェアの利用頻度”に関する質問で、最も多かった回答は「年に数回程度」の48.1%、ついで2位が「月に1~3回程度」の24.2%、3位は「一度利用したのみ」の20.0%となっており、たまにしか利用しないという人が全体の9割以上を占めています。利用頻度が低いからこそ、自家用車を所有せずカーシェアで十分なのかもしれません。
利用しない理由は、現状の移動手段に不満がないから!?
同調査では、“カーシェアを利用したことがない人の理由”についても調べています。1位には28.8%で「現在ある移動手段に不便を感じていないから」という回答があがり、2位は「利用する場面のイメージが湧かない、必要ない」の26.3%でした。現状の移動手段に不満がないことが主な理由となっているようです。
中には「料金が高い、料金を払ってまでは利用したくない」「仕組みやメリットがよくわからない」といった回答も。しかし、カーシェアを利用したことがある人の6割以上は「サービスに満足している」と回答しており、自分で所有することなく車を利用できるメリットを十分、感じられていることがわかる結果となっています。
今回の調査結果を踏まえて、「気にはなってたけど躊躇している」という人は、カーシェアの利用について、検討してみてはいかがでしょうか。
出典元:【株式会社MM総研】
参照元:【カーシェアの歴史/名鉄協商株式会社】
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