【雑学・豆知識】今さら聞けない! 日本の貨幣はどっちが表でどっちが裏?

国際的なスポーツ大会でも、先攻・後攻を決めるのに使われるコイントス。しかし「貨幣のどちらが表でどちらが裏なのか?」明確に答えられる人は意外と少ないだろう。実は、日本の貨幣の表裏の変遷には深くて長~い歴史理由があったのだ。

世界的には人物の顔がある面が表!

【雑学・豆知識】今さら聞けない! 日本の貨幣はどっちが表でどっちが裏?

(Image:Shutterstock.com)

 アナタが普段から使っている貨幣。いったい、どちらが表でどちらか裏かご存じだろうか?
 海外では、国家元首や歴史上の偉人など、人物の顔が刻印された貨幣が多い。偉い人物を「裏」とするわけにはいかないので、当然、人物の顔のある面が「表」とされてきた。ところが、近年では人物を刻印していない貨幣も増えている。ご存じの方も多いと思うが、ユーロの貨幣は数字が刻印された加盟国共通のデザイン面が「表」とされており、裏面は加盟国が独自にデザインできる。そのため、オーストリアでは「裏」にモーツアルトの顔を刻印した貨幣を発行しているのだ。
 それでは、そもそも人物の顔が刻印されていない日本の貨幣はどうなるのだろうか?

【雑学・豆知識】今さら聞けない! 日本の貨幣はどっちが表でどっちが裏?

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オーストリアの1ユーロ貨幣。一般的に写真左がユーロ加盟国共通のデザインの「表」になる。写真右の「裏」にはモーツアルトの肖像が刻印されている

人物の顔がない日本の硬貨はどうなる?

 世界的には人物の顔のあるほうが「表」だが、日本の貨幣に人物の肖像は刻印されていない。それではどっちが「表」でどっちが「裏」なのだろうか?
 それを知るためには、日本の貨幣の歴史を振り返ってみる必要がある。日本では1871年(明治4年)に、貨幣を発行するにあたり天皇の肖像の代りに「龍紋」がデザインされ、龍紋側が「表」とされた。しかし、1873年(明治6年)8月に二銭銅貨が発行されたときは、なぜか銅貨だけ「龍紋」側が「裏」とされてしまう。これでは混乱するということになり、1875年(明治8)6月には条例により改めて「龍紋」側が「表」と定められた。だが、日清戦争直後に“龍は中国の象徴では”という意見が出始め「龍紋」の代わりに「菊の紋章」が採用された。そして、菊の紋章側が「表」となったのだ。ところが、第二次世界大戦後にはGHQにより「菊の紋章」が禁止されてしまったため、法律上で貨幣の表裏を特定できなくなってしまった。そこで造幣局では、長年、裏面には年銘があったことから、年銘がある側を便宜上「裏」としているのである。

【雑学・豆知識】今さら聞けない! 日本の貨幣はどっちが表でどっちが裏?

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明治4年に最初に発行された貨幣(年号は明治3年もある)。「龍紋」がある面が「表」(写真左)とされた。ちなみに、天皇の肖像ではなく「龍紋」が採用された理由は、「天皇の肖像が人民の手に触れて汚れることは恐れ多い」という理由だったらしい

【雑学・豆知識】今さら聞けない! 日本の貨幣はどっちが表でどっちが裏?

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日本人にはおなじみの100円硬貨。実は法律で貨幣の表裏は決まっておらず、造幣局では作業の便宜上、年号の刻印がある面が「裏」とされており(写真右)、その反対側が「表」になる

文=中川久/フリーライター

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