企業にとって喉から手が出るほど欲しいのがブランド力だ。熱狂的なファンが多いAppleはどれくらいの位置にいるのか。調査会社Bionicが、消費者のブランド忠誠度(ロイヤルティ)を調べたところ、AppleはNetflixに次いで2位という結果だった。iPhoneユーザーの92.6%が次のスマホもAppleにこだわるという結果に対し、スマートフォン市場におけるライバルSamsungは24位だった。
消費者のブランドロイヤルティ、トップに輝いたのは「Netflix」
企業にとってなんとしても手に入れたいものの1つはブランド力だろう。ブランディングが上手くいくと、その後はどんどんいいイメージが膨らんでくれる。ドイツ車の有名なベンツ。高級車で安全という世界に根付いた観念から、車業界の中で確固たる地位を誇る。ある程度イメージが根付くと、注目度の高い映画の中で使用されたり、人気の俳優が乗ったりといったところで、企業がノータッチのまま良いイメージが増えていくという好循環が始まる。こうなると企業としては万々歳だ。逆にどれだけいいものを作っても、ブランド力がないために思うように売れないといったこともある。では、熱狂的な信者とも呼べるファンが多いAppleはどのあたりに位置しているのか。
iPhone 15シリーズの公式サイトのメッセージはAppleの自信の表れ
調査会社のBionicが、消費者のブランド忠誠度(ロイヤルティ)を調べたところ、AppleはNetflixに次いで2位という結果だった。だが数字を詳細に見てみると、Netflixのブランド認知度は0.79点で、忠誠度が2.98点だったのに対し、Appleは認知度が0.82点と上回り、忠誠度は2.62点だったのでほぼ肉薄している。また、スマホ市場のライバルSamsungは、認知度は1.01点と上回っているが、忠誠度は1.15点とかなり水をあけられている。Samsungは家電製品も多く扱っているので認知度では高いということもありそうだ。さらに、iPhoneユーザーの92.6%が次のスマホもAppleにこだわるという調査結果だったのに対し、Samsungユーザーは74.6%に留まった。AirPodsやApple Watchなどの周辺機器も魅力的にそろえて囲い込みもはかっているし、ユーザーもApple製品でそろえたいと思うし、この調査結果からもAppleユーザーの忠誠度の高さがよくわかる。
Apple自身からも自信がうかがえる。iPhoneの充電ケーブルに世界で主流だったUSB-Cポートを使わず、あえて独自にライトニングポートを開発。独自の充電ケーブルを使わないといけないスマホだと敬遠するユーザーもいただろうが、iPhoneが使いたいのだから仕方ないと消費者に思わせた。もちろんAppleもそれをわかってやっている。そして、シリーズ15を紹介する公式サイトで、「みんなうれしいUSB-C」、「これで、ケーブルだらけの毎日とはお別れです」なんてメッセージを載せていて、「いやいや、余計なケーブル増やしたのはどこのだれだ」と全世界のツッコミを受けても、「それでもiPhone買うでしょ」と大きな顔でのたまいそうだ。
引用元:【AppleInsider】
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