乗り放題の「全線定期券」は通勤定期券よりお得なの? 東京メトロ、都営など

大都市のサラリーマンなら毎日使っている通勤定期券。多くの人は休日のお出かけにも利用しているかもしれないが、それなら「全線定期券」を検討してみてはいかがだろうか? もしかしたら、もっと広範囲で利用できて、通勤定期券よりも得するかもしれないぞ!

都営地下鉄「全線定期券」なら18日で元が取れる場合も!

(撮影:編集部)

 大都市のサラリーマンなら、毎日、通勤定期券を使っているだろうが、そんな人でも「全線定期券」を知っている人は少ないだろう。「全線定期券」は、通勤定期券と違い区間を定めず全路線を一定期間(1カ月~6カ月)乗り放題になる。東京メトロや都営地下鉄、名古屋市交通局、Osaka Metro、福岡市交通局などでも、この「全線定期券」が発売されているのだ。
 たとえば、東京メトロの「全線定期券」は1カ月で1万7,300円、都営地下鉄は1カ月で1万5,210円である。東京メトロの運賃は最大310円なので、この区間で56回使うと元が取れる。都営地下鉄の運賃は最大430円なので、こちらは36回の利用で元が取れる計算になるのだ。この乗車回数は片道なので、往復にするとそれぞれ28往復(日)、18往復(日)となる。つまり、28往復の東京メトロは厳しいものの、18往復で元が取れる都営地下鉄であれば、通勤区間以外で利用したり休日のお出かけなどにも利用できるので、場合によっては通勤定期券よりも得する可能性もあるのだ。

 

●東京メトロ「全線定期券」
1カ月:1万7,300円
→1万7,300円÷30日=約577円(1日換算)
→170円区間なら102回乗車/310円区間なら56回乗車で元が取れる(往復利用は28日の乗車で元が取れる)

 

●都営地下鉄「全線定期券」
1カ月:1万5,210円
→1万5,210円÷30日=約507円(1日換算)
→180円区間なら85回乗車/430円区間なら36回乗車で元が取れる(往復利用は18日の乗車で元が取れる)

(Image:tokyometro.jp)

東京メトロと都営地下鉄の路線図。この範囲で1カ月間乗り放題になる「全線定期券」は、条件によっては通勤定期券より得する可能性がある(東京都交通局HPより)

(Image:tokyometro.jp)

東京メトロの全線定期券。磁気定期券は、通勤定期券と違い無記名なので、持参人が使用可能。たとえば家族で使いまわしても問題ない。ただし、ICカード(PASMO)の場合は記名人しか使用できないので注意

2月なら「東京メトロ24時間券」の方がさらにお得!

 大都市の地下鉄で利用できる「全線定期券」は、場合によっては通勤定期券よりお得に利用できる場合があることはご理解いただけただろう。だが、それ以外にもお得に利用できるきっぷがあった。それが東京メトロの「東京メトロ24時間券」だ。
「東京メトロ24時間券」は、従来の「1日乗車券」に代って導入されたきっぷで、600円で東京メトロ全路線を24時間乗り放題になる。昔の1日乗車券はその日の終電で無効になったが、「東京メトロ24時間券」なら、1日目の朝10時に使用開始すれば翌日の朝10時まで利用可能である。
 たとえば、この「東京メトロ24時間券」を通勤定期代りに1カ月間利用すると、30日×600円=1万8,000円となり「全線定期券」のほうが少し安くなる。しかし、28日までしかない2月なら、28日×600円=1万6,800円なので、わずかに安く利用できるのだ。この場合は、170円区間なら99回以上、310円区間なら55回(28往復)以上の利用で元が取れるのである。

(Image:tokyometro.jp)

「東京メトロの24時間券」の前売り券(写真上)は、発売日から6カ月以内の1日のみ(使用開始から24時間)利用可能。当日券(写真下)は使用開始から24時間に限り有効。購入日の終電までに使用しないと無効になるので注意しよう

●東京メトロ「全線定期券」は→こちら

●東京メトロ「東京メトロ24時間券」は→こちら

●東京都交通局(都営地下鉄)「全線定期券」は→こちら

文=植村照明/フリーライター

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