国民生活センターが、暗号資産に関するもうけ話について注意喚起している。20代の人たちから「誘われて投資をしたが出金できない」や「確実にもうかると言われたのにもうからない」といった相談が寄せられているという。”取引内容やリスクを理解できないのであれば契約しないでほしい”と、同センターは注意を呼びかけている。
暗号資産は実態のない仮想通貨。関わるなら深く理解を
「暗号資産」…よく聞く言葉だが、きちんとその内容を理解できている人はどれくらいいるだろう。「暗号資産(仮想通貨)」とは、インターネット上でやりとりできる財産的価値と説明されるが、これだけではピンとこない人は多いのではないだろうか。代表的なものはビットコインやイーサリアムといったものだ。日本銀行のホームページの暗号資産の解説のページでは、「暗号資産に関する詐欺などの事例も数多く報告されていますので、注意が必要です」との文言が記載されており、詐欺への注意喚起はここでもなされているのが印象的だ。
国民生活センターに寄せられた相談事例をみてみよう。
暗号資産の投資をすすめられたら事業者登録がされているかwebサイトで確認するのもアリ
1つ目の相談は「SNSで知り合った外国人男性からすすめられたサイトで暗号資産の取引をした。出金を希望したら、高額な費用を請求された」というもの。最初に2万円を投資し、数日後利益が3万円相当になって出金できたので信用。再度40万円相当を投資し、利益が出たので出金しようと連絡すると出金には税金がかかり約86万円を支払わなければ出金できないと言われたとのこと。この事例は、一度少額の利益を手にさせて信用させるといった手の込んだだまし方をしている。
2つ目は「知人に暗号資産の自動売買でもうかると誘われ自動売買ソフトを購入した。もうからず、信用できないので返金してほしい」というもの。これは、誘われて知人が参加する副業グループの話を聞きに行き、自動売買ソフトを使えばもうかると言われて購入。50万円相当の暗号資産を購入したが、ソフトを利用してももうからないという相談だ。
同センターは「SNSやマッチングアプリなどで知り合った面識のない相手から暗号資産の投資をすすめられた際は、詐欺的な投資話を疑ってほしい」としている。こういう類いの詐欺は、相手の素性や投資内容の真偽確認が難しく、被害を回復するのは困難なようだ。
相手と連絡が取れなくなることも多いため、こういった話をしてくる人に対しては”事業者登録がなされているか”を確認するのも手だ。暗号資産交換業者は金融庁・財務局への登録が義務付けられているため、金融庁のwebサイトで確認をすることができるのだ。
そして、少しでも不安に思うことがあれば、消費者ホットライン「188(いやや!)」番に電話してみよう。最寄りの消費生活センターなどを案内してくれる全国共通の番号だ。