2023年10月に施行された「ステマ規制」により、広告であることを隠してSNSなどで商品をPRしたりする行為が罰せられるようになった。施行から3カ月以上経つが、企業からの「ステマ依頼」は減ったのだろうか。インフルエンサーを対象に、SNS・インフルエンサーマーケティング事業を展開するリデルがアンケートを行っているので見てみよう。
ステマ規制後35%のインフルエンサーが減ったと回答
ステマ規制後の現状について調査を行った結果、ステマ依頼が「減った」と感じているインフルエンサーは35%、依頼が「増えた」と感じているインフルエンサーは15%だった。「増えた」と答えた理由を聞くと、「ステマ依頼の可能性がある」と気づけるようになったとの回答が大半で、ステマ規制によってインフルエンサー自身のリテラシーが向上したという側面があるようで、一概に依頼の件数が増えたというわけではないようだ。
では、どういったものが「ステマ」に当たるのだろうか。インフルエンサーたちが今まで「押し切られていた」「判断が難しかった」「大丈夫と言われた」などと感じていた企業や代理店からのステマ依頼を以下に5つピックアップした。
よくある企業・代理店からのステマ依頼5選
ではさっそく、「よくあるステマ依頼」を紹介していく。
1つ目は「企業からのギフティングなので、PRはいらないからPRをつけないで投稿してほしい」。無償で商品を提供されても、以下の4点にあてはまる場合は広告表記が必要となる。「投稿を依頼する(発注者・受注者の関係がある)」「宣伝・販促活動を目的に商品やサービスを提供した」「依頼者が投稿内容に関与した(内容に関する指示や依頼をした)」「提供された商品やサービス以外にメリットやデメリットを提示した」。上記の場合、投稿してほしいと依頼しているので、「広告」や「宣伝」といった文言を表記するか、「○○社から依頼/提供された」と記す必要がある。
2つ目は「PRをつけなくてもインフルエンサーではなく、罰せられるのは企業だから心配しなくていいと言われた」。罰則対象はたしかに企業(広告主)だが、炎上などのトラブルにインフルエンサーが巻き込まれる可能性がある。何よりフォロワーからの大切な信頼を失ってしまうし、今後はインフルエンサーも罰則対象になる可能性もある。
3つ目は「タイアップ投稿後、この商品を気に入ったら、感想をオーガニックで投稿してほしい」という依頼。これも投稿を依頼されているので、「○○社から依頼/提供された」と記す必要がある。
4つ目は「インフルエンサー限定のご招待イベントで、同行者にも投稿内容を指示されたが、広告表記の指示はなかった」。これは2点注意する必要があり、依頼者が投稿内容に関与しているため、同行しているという立場でも「招待された」などの関係性を表記する必要があること、またインフルエンサー限定のイベントに参加できているのでメリットを提示したことに当たる。
5つ目は「PRをつけたら今後仕事は紹介しないと、代理店数社から言われている」というもの。これは、仕事を紹介しないことが、デメリットの提示とみなされる。
これらに該当する依頼は、ステマ規制の対象なので十分注意したい。だが、今回の調査からインフルエンサーのステマに対するリテラシーが向上していることがわかった。また、SNSなどでは「ステマではないか」との指摘などもあって消費者にもリテラシーが根付いてきているようで、法規制を理解して上手にインフルエンサーマーケティングをする企業が増えていってほしい。
出典元:【LIDDELL株式会社/PR TIMES】
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